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2017年5月11日木曜日

5/10再発防止研修への抗議・該当者支援行動の報告

5/10 再発防止研修抗議・該当者支援行動の報告(近藤さん)

■安倍首相の2020年オリンピックまでに憲法九条に「自衛隊」を明記する第三項を加えるという改憲への執念、「共謀罪」法案の審議など「戦争する国」への暴走が新たな局面を迎えています。そんな中、「『日の丸・君が代』強制は戦争への道」を実感させるのが被処分者に対する「再発防止研修」です。

裁かれるべきは都教委―違憲違法な被処分者イジメの再発防止研修をやめよ!

時折雨が降る5月10日、早朝より「再発防止研修抗議・該当者支援行動」を研修場所の都教職員研修センター前(都内水道橋)で行いました。被処分者の会の緊急の呼び掛けに応えておよそ50名の人が駆け付けてくれました。早朝から4時間30分にわたる行動への参加、誠にありがとうございました。該当者(受講者)も皆さんの支援・激励に感謝しています。
「体罰・セクハラ・飲酒運転」等で処分された教員を対象に行われる「服務事故再発防止研修」が、自らの良心に従って起立せず処分された教員にも科されるのです。
卒・入学式などで処分された教職員を対象とした再発防止研修は、2004年8月に強行実施されてから13年、毎年繰り返されて来ました。今年は、卒業式で「君が代」斉唱時に起立せず不当にも処分されたを都立高校教員2名(工芸高校・減給1月・不起立処分4回目、葛西南高校・戒告処分・同3回目)が対象となりました。この研修は、被処分者に対して都教委が「反省・転向」を迫るもので、被処分者を「恫喝」する「イジメ」「懲罰」(精神的・物理的圧迫)に他なりません。違憲違法な研修を毎年・毎回繰り返す都教委こそ反省すべきであり、裁かれるべきです。
会場の同研修センターの外壁には、「授業録向上」と大書した垂れ幕が下がっていました。授業をつぶして命令で「研修」に呼び出しているのが都教委です。授業をつぶして生徒の学習権を侵害している都教委が「授業力向上}が標語?! まさにブラックジョークです。

◆思想・良心の自由を侵害する再発防止研修を中止せよ!

研修開始に先立って、被処分者の会等が抗議声明を手交し、研修の中止をセンターに申し入れを行いました。この研修は、思想・良心の自由を定めた憲法に反しており、戦前の天皇制軍国主義の思想弾圧と同じ発想で、転向を強要する人権侵害で「良心を鞭打つ」ものに他なりません。都教委こそ謝罪するべきなのです。対応した同研修センター総務部総務課長は、「要請の趣旨は上司に伝えます。答える立場にはありません」と繰り返すだけでした。

◆ものものしい雰囲気―戒厳体制下の研修の内容と実態
2人の該当者は、支援者の拍手に送られて会場に入りました。該当者は、研修センターの4階の部屋に缶詰にされ、センター側の講師、司会など3名、校長に取り囲まれて、長時間の研修を強いられました。講義は、「地方公務員法について」と「適正な教育課程の実施について」の2本で、例年と全く同じでした。要するに「上司の命令に従えば」「生徒の模範となるよう『君が代』を立って歌え」ということです。その後振り返りシートを記入させ、研修部長に提出させられました。
トイレに行く時もまるで「ストーカー」のようについてくる。「精神的・物理的圧迫」=イジメにより、被処分者に「反省・転向」を強要するものです。こんなことを教育行政がしていることが信じられないかも知れませんが、本当の話しなのです。

◆まだ続く研修―およそ3ヶ月もの長期に亘る

なお、これで「研修」は終わらず、長期の所属校研修、月1回の教職員センターの指導主事所属校訪問研修、2回目のセンター研修があります。長期の闘いになりますが、皆さんの励ましが力を与えてくれると思います。

◆被処分者の会は、抗議声明を発表しましたのでお読みください。長い声明文ですが、これまでの経過、再発防止研修の仕組み・内容、違憲・違法性などについても言及しています。

5/10 再発防止研修抗議・該当者支援行動の報告(渡部さん)

小雨模様の中、朝8時から、研修抗議と被処分者2人に対して激励行動を行い、約50人が参加しました。
今回研修の対象者にされたのは、卒業式で「君が代」不起立で処分された都立高校教員2名 ①葛西南高校・戒告処分・同3回目、 ②工芸高校・減給1月・不起立処分4回目、
です。
二人は、9:00~12:30の研修後、それぞれ次のようなことを語りました。
①のOさん
 今日から研修のスタートの日だ。しかし、今まだ、今後のスケジュールを教えてもらっていない。これまでは教えてもらっていた。2回目の時と内容はほぼ同じ(地公法、学習指導要領など)だったが、少し説明が詳しかったかな。いかに立って歌い、模範を示すことが責務か、ということを述べていた。
 ところで自分は定時制の教員で夕方から授業がある。しかし、本日は勤務時間を変更され9:00からとされた。そして授業が始まる15分前に勤務時間は終わった。生徒の学ぶ権利を奪ったのは再発防止研修だ。わたしは日常の事を大切にしたい。特別の日ではなくて。

②のSさん
 工芸高で9年目だ。今日は電車が遅れ満員電車となり大変だった。しかし研修の方が苦行だった。3時間無為に過ごしたようなものだ。12:30まで目いっぱいで、途中休憩はない。
 講義後「振り返りシート」があり、「どう考えますか?」などが聞かれた。回答しなかった。突っ込まれることもなかった。再発防止恵研修に対する2004年に出された地裁決定(「繰り返し同一内容の研修を受けさせ、自己の非を認めさせようとするなど、公務員個人の内心の自由にふみこみ、著しい精神的苦痛を与える程度に至るものであれば、・・・違憲遺法の問題を生じる可能性がある・・」)が効いている。
 これからの裁判闘争をしっかり闘う。権利侵害をさせないようにしたい。

ところで、①のOさんは
「生徒の学ぶ権利を奪ったのは再発防止研修だ」と述べましたが、研修センターの屋上からは、<めざせ!授業力向上>などと書いてある垂れ幕が下がっていました。全く悪い冗談です。都教委にとっては<授業よりも「君が代」>が大事なのです。東京の教育もここまで落ちました。
支援に駆けつけた「授業してたのに処分」の福嶋さんは、抗議集会で次のようなことを述べました。
 これまで都教委は裁判で67件の処分を取り消されている。しかし該当者らの名誉回復はなされていない。処分の時はマスコミやHPにも実名で周知される。しかし取り消されても発表や報告はされないままだ。また、再発防止研修まで受けさせられた人は、生徒、同僚にまで迷惑をかけた。都教委からの謝罪があって当然だ。都教委の道徳・倫理感はどうなっているのか。当時講義をした方々はどう思っているのか。

また、千葉から駆けつけてくれたKさんは
研修所前に居並ぶ10人ほどの都教委の職員に向かってここは「東京サティ(最低)庵」ではないか」と述べていました。
東京では、すでに被処分者の会の近藤徹さんが紹介していますが、
【小池知事を「忖度」 都立看護学校でも「君が代」(朝日新聞社会面 5月10日付)】というようなことまで起きています。