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2017年1月27日金曜日

1/22 ≪オリンピック災害おことわり!集会≫の報告

安倍首相は国会答弁で「オリンピックを成功させるためには共謀罪が必要だと言っています。渡部さんの報告です。
安倍首相は通常国会(1月20日開会)に「共謀罪」を提出するにあたり、「2020東京五輪・パラリンピック」の成功のためにも国際的なテロに備えるためにも法整備が必要だと言っています。オリンピックを「共謀罪」成立の為に政治利用しようというのです。

≪オリンピック災害おことわり!集会≫
これに対し1月22日(日)東京で、≪オリンピック災害おことわり!集会≫が開かれました。集会には140人が集まり、2020年東京オリンピックに疑義を持つ人々の運動がスタートしました。
私が会場に着いた時、周辺には異常に多い公安と警察がおりました。
何でも集会前の「反五輪の会」のデモで、一人が警察に逮捕されたという事です。いかにオリンピックが<言論の自由>を制限し、「共謀罪」にも利用されるかを示していると思いました。

集会主催者の鵜飼哲さん(元一橋大学)の挨拶
「1964年東京五輪は旧教育基本法下でのオリンピックで 『参加することに意義がある』というようなことが言われた。しかし2020年東京五輪は改悪教育基本法下での『愛国心』を煽るオリンピックだ。また復興五輪というが、実際は復興妨害五輪だ。『2020年までに被災者をゼロにする』などと言っている。被災者を侮辱している。」
というようなことを述べた。
そして1月9日の「東京新聞」に載った川柳を紹介。
 <原発の 被爆者置き去り 江戸五輪>
 <避難者が 消されるリミット 2020>

その後、「リード・イン・スピーク・アウト」として、以下の方々が話されました。
 ・谷口源太郎(スポーツジャーナリスト)
 ・アツミマサズミ(東京にオリンピックはいらないネット)
 ・北村小夜(元教員)
 ・山本敦久(成城大学教員)
 ・江沢正雄(オリンピックいらない人たちネットワーク)
 ・友常勉(東京外国語大学教員)
 ・なすび(被ばく労働を考えるネットワーク)
 ・いちむらみさこ(Planetary No Olympics Network)
 ・(ピョンチャン冬季五輪反対ビデオ)
 ・脇義重(元いらんばい!福岡オリンピックの会)<ビデオ>
 ・金満里(劇団態変)<ビデオ>
 ・井上森(立川自衛隊監視テント村)
 ・池田五律(戦争に協力しない・させない練馬アクション)
 ・根津公子(「日の丸・君が代」被処分元教員)
 ・小川てつオ(反五輪の会)
そして最後に、

 ・山本太郎参議院議員も、五輪反対の立場で出てき、「国会で一人になっても頑張る」と言っていました。

何れの発言も具体的で内容があり、オリンピックの問題点が色々な立場から浮き彫りにされたと思います。「日比谷野音で全国集会が出来れば」とも思わせる内容でした。
その中からいくつか紹介したいのですが、膨大になりますので、ここでは、1925年生まれの北村小夜さんが読まれた資料だけを紹介します。

北村小夜さんが紹介した<詩人 サトウ・ハチローの翼賛ぶり>
 1932年7月、ロサンゼルスオリンピック陸上三段跳びの場面の放送を聞きながら (『 』内は現地からのアナウンス)
 「『一等南部忠平君(日本) 記録は15メートル72、オリンピック並びに世界新記録。二等スヴェンソン・・・・』 
もうどうでもいい、スヴェンソンも何もあるものか、南部が勝ったのだ、勝ったのだ。
 『いま、するするとマスト高く日章旗があがりました』 バンザイ、僕だって唄うぞ君が代を、君が代を。 
 『つづいてスエーデンの旗、次に又日本の旗、南部、大島両君は、直立不動ビクトリー・マストの日章旗を仰いでいます』
僕は目に浮かぶ、同胞の歓喜のさまが、歓呼の声が。
優勝した南部は、何百というカメラにかこまれた。トーキー会社は南部をカメラの前に立たした。
 『どうか一言おっしゃって下さい』
 南部は何と言ったか。
『只今、南部忠平優勝いたしました』
 この言葉をよく聞け諸君、この言葉は南部が、いかに国を愛しているか、いかに陛下のよき民であるかをはっきりとしめすものである。
 『只今、南部忠平が優勝いたしました』
 誰に報告しているのであろうか。天皇陛下へである。そうして、日本国民へである。
 そうして、その後に大きな声で『日本万歳』と言ったそうである。
 南部!!! 僕の南部、日本の南部、世界の南部、僕は君を愛する。
 僕は君の友情と優勝に感謝する。僕は日本の詩人として、
 君の美しい友情と優勝を、讃美歌となすつとめを持つ。」

  1932、少年倶楽部10月号、南部の優勝を聞く サトウ・ハチロー
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ここには、オリンピックがいかに子どもたちの「愛国心」発揚に利用されるか、があらわれています。同じことがまた繰り返されようとしています。

最後に、「東京オリンピックおことわり宣言」が採択
一部抜粋
 「私たちは、東京オリンピックを『祝祭』ではなく『災害』として捉えかえしてみた。
 起点は安倍首相の「Under Control」発言であった。まさにこの発言が 東京オリンピックを象徴していると言えるだろう。・・・
  
 近代オリンピックは常に居住者の生活を破壊し、追い出し、そして自然を破壊しながら新規施設やインフラを構築してきた。
 ・・・東京でも新国立競技場建設による都営霞ヶ丘アパート300世帯の立ち退き、明治公園における野宿者強制排除と日体協・JOCビル建設のための公園廃止など現住者の生活権を剥奪する暴挙が行わている。まさしくそれは『オリンピック災害』だ!
 
 一方、臨時国会では上程されなかったが、東京オリンピックにおける『テロ対策』を大義名分とした共謀罪が登場しようとしている。私たちのこうした会議でさえ数多くの公安刑事が監視の目を光らせている。何でも『テロ対策』と言えばまかり通るとでも思っているかのごとくだ。多くの『反オリンピック』を抑え込む市民監視が精微化されようとしている。これも『オリンピック災害』だ!
 
教育現場においても『オリンピック読本』や『学習ノート』などが都教委からばらまかれ、年間35時間の関連授業を強制されている。すでに『オリンピックは嫌だ』という声を上げられない雰囲気作りが進められつつある。
 オリンピックへの生徒・児童の動員体制も強制されそうだ。これも子どもに対する『オリンピック災害』だ!・・・」
「私たちは決して孤立していない。多くの未だ見ぬ『おことわり宣言者』との出会いを求めて私たちは本日自らの『おことわり』を高らかに宣言する!『東京オリンピックなんていらない』と。」

この集会に寄せられたメッセージ、
・フランスのジャン=マリ・ブローム氏
 (モンペリエ大学社会学名誉教授で反五輪のフランスにおける中心的論客)
 から、<東京五輪ボイコット委員会への支援メッセージ>
「オリンピックのプロパガンダに反対し、公共資源の無駄遣いに反対し、攻撃的なスポーツ・ナショナリズムとメダル数の排外主義に反対して、東京五輪ボイコット委員会との、
広汎な国際連帯の運動を組織することは緊急の課題です。」

・フランスの雑誌『スポーツといってもどんな?』の発行人のファビアン・オリエ氏から、
 <放射能まみれのオリンピック競技にノンを!>
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「ナショナリズム」を煽る安倍政権による2020東京五輪は、もはや国内だけの問題ではなく、国際的な問題になりつつあり、そのための「国際連帯」も求められる時代になってきたようです。
ちなみに、採択された「東京オリンピックおことわり宣言」には英文訳(A Declaration No Thank You to Tokyo Olympics)もありました。