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2016年10月27日木曜日

―学校に自由と人権を!10・23集会 満員の会場に闘いの熱気あふれ

10月23日、「学校に自由と人権を!10・23集会 憲法を変えさせない!誰も戦場に送らせない!―『日の丸・君が代』強制反対!10・23通達撤回―」が都内日比谷図書文化館で行われました。近藤徹さんからの報告です。



この集会は、被処分者の会など10・23通達(2003年)関連裁判の訴訟団・元訴訟団14団体が大同団結して毎年10月に行われてきました。今年の集会は、「命懸けで憲法を破る」と公言した石原都知事の下、東京都教育委員会が10・23通達を発出して丁度13年目の日に開催されました。集会には、約200名が参加し、満員の会場には闘いの熱気あふれ、内容も好評で、大きく成功しました。主催14団体に加えて、30団体、196名の個人が賛同を寄せてくれました(10月22日現在)。集会成功のために力を貸してくれた皆さんに心から御礼申し上げます。

集会の様子

●東京の教育を都民の手に取り戻すための「希望」の闘い―実行委員会あいさつ

冒頭、実行委員会として被処分者の会・近藤があいさつしました。「今年の集会は、参議院選挙の結果、衆参両院で改憲勢力が2/3を超え、また11月にも南スーダンへの自衛隊の派兵が迫っている中で行われ、『憲法を変えさせない!誰も戦場に遅らせない!』という本集会のスローガンが、差し迫った課題となっている」と述べ、「本日の集会は小池新都政発足後初の訴訟団・元訴訟団主催の集会」で「『都民ファースト』『情報公開』を標榜するなら、都教委は私たちの真摯な思いに正面から応えねばならない」と求めました。そして「粘り強く闘われている『日の丸・君が代』強制反対の裁判は荒廃した東京の教育を都民の手に取り戻すための『希望』の闘い」であり、「私たちの粘り強い闘いは、都教委を確実に追い詰めており、みんなの力でこの闘いを支えていこう」と呼びかけました。「『安倍政権の暴走ストップ・自衛隊を戦地に送るな』の国民各層の闘いと合流して、東京の学校と教育の危機的状況を打ち破り、憲法・平和・民主主義・教育の自由を守るために運動の輪を広げ、勝利するために最後まで奮闘しよう」と訴えました。

●市民的自由が機能する憲法へ―青井未帆さん講演「戦争ができる国と教育」

青井未帆さん(憲法学 学習院大学大学院教授)が「戦争ができる国と教育」と題して講演し、安倍政権の下での憲法を巡る状況を「タガが外れている状況」と断じ、国家権力が個人・家族の領域にも踏み込み、「市民的自由」が危機に瀕していることに警鐘を乱打しました。立憲主義、民主主義の根本的理念を提示しながら、「機能する憲法」となるように闘うのが私たちの責務であると述べました。その上で、「戦争と教育」の不可分な関係にも言及しました。「戦争は教室から始まる」という歴史の教訓を再認識しました。また、「君が代」訴訟について最高裁判決の到達点を踏まえ、減給処分以上が「裁量権の逸脱・濫用」で違法とされ取り消されたことに「光明」を見いだすと述べました。大学での講義を彷彿とさせるような語り口に魅せられました。憲法の危機に対峙する闘いのあり方にもヒントを与えられました。

●「君が代」訴訟の新しい動きと勝利への展望―澤藤統一郎弁護士


















澤藤統一郎弁護士(東京「君が代」裁判弁護団副団長)が、「『君が代』訴訟の新しい動きと勝利への展望」と題して特別報告をしました。冒頭「"We  shall overcome someday." 13年間闘い続けていることの意味を再確認しよう」と述べ、13年間の「君が代」訴訟の流れを整理しました。「君が代」訴訟を、高揚期(予防訴訟提訴から難波判決=2006年9月全面勝訴)→受難期(最高裁ピアノ判決 2007年2月)→回復期(東京高裁大橋判決=戒告を含む全ての処分を取り消し=2011年3月以降)→再高揚期(福嶋さん事件=2013年12月以降)と4つの段階に分けて整理してくれました。そして、最高裁判決の枠組み(職務命令の「間接的制約」論による戒告処分の容認)を突破するため、最高裁の「(職務命令は)儀式的行事におけ得る慣例上の儀礼的所作」という論理が誤りであること明らかにする論理構築の必要性にも言及しました。

●「思いを語る―18歳選挙権。広島、沖縄、憲法」東京高校生平和ゼミナール

最後に、東京高校生平和ゼミナールの高校生2人による特別報告「思いを語る―18歳選挙権。広島、沖縄、憲法」がありました。昨年の戦争法反対の国会前行動に参加した経験から「民主主義とは一人一人が声を上げるということだと学んだ」こと、沖縄平和学習旅行・広島平和学習旅行、全国高校生平和集会などに参加して学んだこと、参議院選挙費向けての「18歳選挙権」についての学習などを報告しました。高校生も平和の危機=戦争への動きに無関心ではいられない」と述べ大きな拍手を受けました。

集会は最後に「集会アピール」を採択して散会となりました。

2016年10月25日火曜日

10/20 『10・20都教委包囲・要請行動』

10月20日(木)都教委包囲首都圏ネットワーク主催の「都教委包囲・要請行動」が行われました。(45名参加)

◆第一庁舎前で


















都庁・第一庁舎の知事室の下の玄関=2階歩道に集まり、15時10分頃から、
「・10・23通達撤回! ・「日の丸・君が代」処分反対!」
と大書した横断幕を掲げ、集会を開始しました。

15時30分過ぎから、トラメガを使いシュプレヒコールをしました。
 ・10・23通達撤回! ・「日の丸・君が代」強制・処分反対!
 ・道徳の教科化反対! ・国威発揚の「オリンピック教育」反対!
 ・教育の軍事化を許さない! ・若者を戦場に送るな!

などなど。
45名程度ではとても包囲などとは言えませんでしたが、マイクの音量もよく、かなり通り、力強いコールになったと思います。特に規制などは有りませんでした。

◆第二庁舎10階203会議で


















その後、第一庁舎会議室は工事中のため、10階の203会議室で要請行動を行いました。
要請行動には29名が参加しました。


都教委側からは4月から教育情報課長になったY氏と、K課長代理が出てきました。
○要請に先立って、はじめに、都教委が「教育情報課」というものを作り、管轄の、担当課の職員に直接申し入れなどをさせない仕組みになっていることについて不満の声が出されました。
 「どうして情報教育課が窓口なのか。」
 「2001~02までは担当課の職員が出てきた。」
それに対しY課長は
 「そうなっているので」、「請願処理規則でそうなっているので」を繰り返すばかりです。
また、「どうしてそうなったのか」と言う質問に対しては、「知らない」と言います。
参加者一同あきりかえり、ある参加者は「調べなさい」と言いました。

司会をやっていたA氏は、
 「これは隠ぺい体質だ。なぜ担当者が都民の前に出てこないのか。誰に聞いても『わからない』と言う。無責任だ。文科省だって担当者が出てくる。他県でもそうだ。なぜ都はそうしないのか。今、都庁の隠ぺい体質が批判されているが、都教委がこうして真っ先にそれをやったのだ。」と述べました。
それでもY氏は同じことを繰り返すばかりです。

要請行動、要請書の読み上げ 
今回は以下の団体が要請行動を行いました。
 (1)都教委包囲首都圏ネットワーク
 (2)予防訴訟をひきつぐ会 
 (3)再雇用拒否撤回を求める第二次原告団
 (4)河原井さん・根津さんらの「君が代」解雇をさせない会
 (5)ひのきみ全国ネット
 (6)東京都民

●そのうち、(4)は次のようなものでした。
「君が代」処分の審議に関しての質問
1.「君が代」不起立処分をする際の、処分決定までの手順について当会が質問したところ、都教委の5月17日付回答、6月24日付回答によると、東京都教育委員会事案決定規則別表(第4条関係)二の四によるとの回答であった。
 それによれば、戒告、減給処分については懲戒分限審査会の議を経た後、教育長の決裁で決定し、教育委員会の審議を要する案件は停職、免職の案件というように読める。
 ①この規則が成立したのは、いつか。
 ②全ての処分案件を教育委員会で審議していた時期があるかないか。あるとすれば、それはいつか。

2.2012年1月16日に出された最高裁判決は、戒告処分は容認しながらも、減給処分は都教委の裁量権逸脱と認定し、処分を取り消した。それ以降出された判決も、減給以上の処分はすべて取り消してきた。
ところが、都教委は田中聡史さん(石神井特別支援学校教員)の「君が代」不起立に対して、2013年から減給1か月処分を出し続けてきた。
 平等取扱の原則、公平の原則に立って審議されたかがはなはだ疑問である。最高裁判決を無視した処分を出している理由を明らかにせよ。

これは、「個別の教職員の人事に関する事項」で括る問題ではなく、公的な質の問題であるから、逃げることなく回答されたい。
そして、質問者は、次のように述べました。
 「これまでの回答(5月)には、説明がない。再質問への回答(6月)にも、答えない。
 都教委は我々を馬鹿にしているのでは。
 <開かれた都政>はオリンピックだけか。パフォーマンスだけなのか。それでも<開かれた都政>を担ってやっているのか。」
するとY課長は「オール都庁でやっている」と答えました。
参加者一同あ然としました。
 

●(6)東京都民は以下のような「質問」を出しました。
(前半の説明は略)
1、都教委は、キャパニック選手を擁護したアメリカのオバマ大統領は間違っていると思っているのか。
2、都教委はオバマ大統領の見解を見習って、これまでの強制と処分について、改める考えはないのか。
3、何人かの管理職から聞いているが、都教委は学校の管理職たちに「生徒にチラシをまくな」と言うように指導しているのか。
4、もしそう指導しているのなら、それは生徒の知る権利を否定していると思われるが、それでよいか。
5、何人かの管理職から聞いているが、都教委は都民のチラシまきに対し、「警察を呼べ」と指導しているのか。
6、もしそう指導しているのなら、それは言論の自由や表現の自由に対する警察権力を使っての弾圧だと思われるがそれでよいか。
 
以上の質問に対し、「都民ファースト」、「情報の公開」の立場に立って、誠実に回答していただきたい。
 また、上記に関する管理職に対する指導文書などがあれば、公開していただきたい。
これに関して質問者がY課長に(「質問」に付けてキャパニック選手に関するビラを渡し)、
 「オバマ大統領がキャパニック選手を擁護したことは知っていますか」と聞くと、「ああ・・・」とあいまいな返事。
そこで、「個人的にどう思いますか」と聞いても答えない。
「都教委はこうしたことに対して何も知らずにやっているのか」と言ってもだんまりでした。

終了後、参加者は口々に、
「誰に向かって話しているのかさっぱりわからない」と言っていました。

以上からわかるように、都教委の体質は何も変わっていません。
豊洲市場と同じで、「いい加減で無責任」な体質です。


小池都知事が言う「都民ファースト」「情報公開」はまったく聞いてあきれるばかりです。
◆再び、第一庁舎前で
 第一庁舎前で待機している人たちと合流しました。もう暗くなっていました。
全体で申し入れの様子、都教委・教育情報課長の態度と発言について報告し、10.23行動の意義、「日の丸・君が代」処分反対で闘い続けることを確認して行動を終えました。

2016年10月23日日曜日

10/17 河原井・根津さんの08年不起立・停職処分裁判

10月17日(月)東京地裁で、河原井さん・根津さんの08年「不起立」裁判が行われた。
08年は二人とも停職6ケ月の処分だった。渡部さんの報告です。


すでに07年「不起立」処分(河原井さん停職3ヶ月、根津さん停職6ヶ月)については、昨年5月高裁で処分取り消しの判決が出ており、都教委は河原井さんについては上告せず、根津さんついての処分についてだけ上告していた。しかし、今年5月に最高裁は都教委の上告を棄却し、根津さんの勝利も確定した。
今回の08年処分については、本来なら5月の最高裁棄却を受け、都教委は処分を取り消すのが当然であろう。
しかし都教委は、河原井さんについては、処分されてからも「全国行脚」をしたとか、根津さんについては「トレーナー」を着たり、学校前に「停職出勤」したから、といった理由を付け、あくまでも自分たちの「正当性」を主張してきた。

10/17は以下の3人の証人尋問(13:00~17:00)

 (被告)鈴木明・人事部教職員服務担当副参事(当時)
 (原告)根津公子さん(南大沢学園養護学校(当時)
 (原告)河原井純子さん(八王子東養護学校(当時)


◆鈴木明人事部教職員服務担当副参事(当時)の尋問

鈴木氏は処分案の検討等、二人の処分に関わった人物である。その鈴木氏は、原告側の弁護士の尋問に対して次のような回答をした。
●「懲戒処分案については、その後教育委員まで変わらなかったのか」
    ⇒「変わらなかった」
●「体罰などの処分はネットで学校名などは公表していないが、日・君については公表している。なぜか」
    ⇒「わからない」⇒「重大なものだと考えていたので」
●「体罰などでは何回しても戒告にとどまっているのがあるが、なぜ日・君だけ累積加重処分なのか。ヒドイとは思わなかったか」
    ⇒「わからない」「ヒドイとは思わなかった」
●「最高裁判決では累積加重処分を繰り返せば、最後は免職になると書いてあるが、どうだったのか」  
    ⇒「免職までは考えていなかった」
    (しかし、このあと根津さんへの尋問で、根津さんは繰り返し「次はクビだ」と     言われたことを証言した)
●「長期間職場から離すことは生徒への影響も大きい。そのことは考えなかったのか」
    ⇒「配慮も考えた。しかし国旗・国歌は重大なことだ」
●「トレーナーなどを着てはいけないという決まりはあるのか」  
    ⇒「規定はないがそこに言葉が書かれているから」
     (根津さんは以前から「強制反対 日の丸・君が代」などと書かれたトレーナ      ーやTシャツを着ており、そうした教員は他にもいた。また根津さんは仕      事がら汚れるので作業着として着ていた)
●「他県などの処分例で、東京ほどヒドイものはない。同じ学習指導要領でやっているのだから、おかしいのでは」
    ⇒「他県の判決のことはよく知らない。」 
●「当時の新聞などの世論調査でも60~70%は処分反対と出ていたが、考慮しなかったのか」
    ⇒「考慮しなかった」
●「最高裁判決の際、宮川意見書では、東京やごく一部の地域では突出していると述べられているがどう思うか」 
    ⇒数字的には認める」
ご覧のとおり、いい加減、無責任な回答が続いた。

◆根津さんへの原告側弁護士の尋問

○「都教委がやっていることは教育に反する行為だ」と考えて、自分は具体的な資料などをもとにして子どもたちが考えられるように教育活動をして来た。また、子どもたちのなかにも『日・君』について考えている子がいる。『私は起立が出来ない』『うちの家族は反対している。私も反対だ。強制しないでほしい』と言ってきた子もいた。
○私の停職処分に対しても、多くの生徒たちが怒りを持っていた。
 06年3月の処分事案には教え子が証言に来た。停職出勤のときには自分で作ったパネルを持ってきて、停職出勤している自分の脇に置いて行った。
 国旗・国歌を一方的に教え込むことはやっていけないことだ。」

◆さらに弁護士に、アメフトのキャパニック選手の「不起立」(今回これに関する資料も提出された)についての考えを聞かれると、次のように述べた。
 
○「たった28歳で選手生命が断たれるかもしれないのに、この方が大事だとして踏み切った。敬意を表する。オバマ大統領の擁護するコメントがあったが、都教委の教育長はこういうことを言えるか。民主主義がアメリカでは根付いている。日本はそうではない。
○この問題でイギリス人のアレックスが論文を書いているが、アレックスは、日本の状況は世界的にみてヒドイと書いている。
○他に彼女は、08年3月に処分され強制配転させられたが、その後、それまでの勤務校の職員たちから、生徒や職員と一緒にとった写真のアルバムを頂いたことも紹介した。
その中には職員たちの寄せ書きもあり、そこには根津さんへの感謝と尊敬の気持ちなどが書かれていた。

◆都教委側の弁護士からの尋問

○トレーナー着用について、都教委の弁護士がしつこく「教育活動の一環として着ていたのだろう」とかみついてきた。
根津さんはそれに対し、
・それ以前から着ておりそれ以後も着ていた、
・いろいろな社会問題があることも知ってもらえればと思った、
・作業着としても着ていた
と述べ、最後に、次のように述べた。
○「豊洲市場が問題になっている。石原が明らかに悪いが、都教委がやっていることと全く同じと確認するに至った。
 『職務命令』を校長に出させて処分する。しかし、校長らの声は聞かない。自分を処分した4人の校長のうち、3人は『10・23通達』に反対だった。憔悴しきっていた校長もいた。涙を流した校長もいた。私(都教委が後ろに控えていて、現認体制をとっていたが)私以外の教員の不起立をあえて現認しない校長もいた。
○評価制度では、私の教育活動を評価し、弘長「学習指導」の項目ではAを付けた。しかし、都教委にBをつけろと直された校長もいた(あとで、校長自身がそう教えてくれた)。これが現実だ。」

◆河原井さんへの尋問

●自分の教育に対する考え方=<強制しない、差別しない、おかしいことはおかしいと言おう>を述べた。6ヶ月停職処分のきわめて大きな経済的不利益と教育的不利益を語り、
問題となった「全国行脚」に関しては、次のように述べました。
○「全国行脚で沖縄に行き東京で起こっていることを話した時、オバアは、『日の丸の赤は同胞の血、君が代は皇室の歌、民衆の歌を早く作らねば。沖縄戦は<ノー!>と言って立ち上がらなかったその結果だ』と述べた。
今社会は刻々と変わっている。昨年の安保法制ではママたちは『誰の子どもも殺させない』と立ち上がった。そのような判断ができる教育、命令や強制で動かされない教育、を伝えていきたい。
10・23通達の憲法判断を!すべての処分の取り消しを!」

10/17の河原井・根津08年裁判は、都教委が内外ともにいかに突出しているかを浮き彫りにした裁判だった。

次回は、2017年2月2日(木)10:30~です。

2016年10月18日火曜日

至急のお知らせ 10月20日(木)の都教委包囲・要請行動にご参集ください。

10/20 都教委包囲・要請行動

   午後3時30分都庁1庁舎前の歩道に集合
   簡単な集会のあと
   午後4時から要請行動に入ります。
   2庁舎10階の203会議室で要請行動
   午後5時から報告集会を路上で行います。


  ※要請文をご持参ください。



10/13 都教委定例会 根津公子さんの傍聴記

●根津公子の都教委傍聴記(2016年10月13日)

定時制高校を廃止して「学力向上」を言う都教委



公開議案は
①来年度都立高校等の第1学年の生徒募集人員等について、都立特別支援学校高等部等の第1学年の生徒募集人員等について。
②夜間定時制高校(小山台、雪谷、江北、立川高校)の閉課程決定を凍結し、この存続を求める請願について、
③「全国学力・学習状況調査」の結果について、
④「SNS東京ルール」の推進状況について。非公開議案・報告には、今回も5件の懲戒処分があがっていた。今日は大杉教育委員が欠席。月2回の定例会にもかかわらず、全員出席ということは少ない。


①来年度都立高校等の第1学年の生徒募集人員等について、及び、②夜間定時制高校の閉課程を凍結し、この存続を求める請願について。
 来年度都立高校等の第1学年の生徒募集では、全日制普通科で16校16学級を減らす一方、別途15校15学級を増やす、定時制課程では12学級360人を減らす、との提案。全日制の増減は、教室の過不足等で行う措置とのこと。
 再来年度以降は都立高校改革推進計画に基づき、夜間定時制普通科4校(小山台高校、雪谷高校、江北高校、立川高校)及び、商業科3校を閉課程・廃校にし、代わりにチャレンジスクールの新設や学級増、昼夜間定時制高校の学級増で対応する。まず再来年度は、全日制の赤羽商業校と夜間定時制の雪谷高校の募集を停止し、代わりに六本木高校、大江戸高校、桐ヶ丘高校(いずれもチャレンジスクール)の夜間部を学級増にするという。

以下略。
詳しくはレイバーネットをみてください。
全文
↓http://www.labornetjp.org/news/2016/1013nezu

2016年10月14日金曜日

キャパニック選手の国歌不起立をオバマ大統領擁護

●米国歌に起立拒否のNFL選手・コリン・キャパニック選手、米大統領が擁護

BBC(2016.9.06)報道 訪問先の中国で発言

米NFLのコリン・キャパニック選手が米国内の人種差別に抗議するため国歌演奏時の起立を拒否して賛否両論となっている問題で、オバマ米大統領は5日、「キャパニック選手は憲法で保障されている意見表明の自由を行使しているだけだ」と擁護した。訪問先の中国で発言したオバマ氏は、「選手の行動は議論に値するものだ」と述べた。

中国・杭州で開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議に出席後の記者会見で、キャパニック選手の抗議行動について質問されたオバマ氏は、「なぜ国歌に敬意を示そうとしないのか、軍関係者が理解するのは大変だろうが、問題提起しようとする選手の誠意は疑いようがない」と述べた。
「ほかになんの効果がなかったとしても、みんなで話し合う必要がある話題について、(選手の行動は)会話のきっかけとなってくれた」と大統領は評価し、議論に参加せず「脇でただ座って何も気にかけない」でいるよりも、若い人がもっと民主的手続きに則り議論に参加した方が良い」と意義に言及した。


 ●サンフランシスコのKさんからの報告
サンフランシスコのKです。

▼2016年9月19日

キャパニックの行動に対しての影響がこちらでは広がっています。
試合前の国歌剤昌に彼が立たないのが報道されてから、先週のき期最初の公式試合にどうするかと注目が集まっていました。
組合で、職場での組合員代表をショップステゥワードと言いますが彼の所属しているフォーティーナイナーズのフットボール選手達の組合のショップステゥワードは彼に葉成し、試合前にキャパニツワと話をして「椅子に座っているのはちょっと良くないから」と片膝をつく事に決めてそれを二人で実行しました。その時、膝こそはつかなかったのですがそのほかの二人も拳を上げて参加しました。プロフットボールの選手達は特に有名な選手は色々な企業のスポンサーがついていて広告などに出ますが、このような行動をするという事は勇気が必要なだけでなくそのスポンサーを無くして莫大な収入の減少になるかもしれないという覚悟が必要です.既にシアトルのチームでコ一夕ーバックをしている選手はこれに参加した為、スポンサーを二つ程なくしました。キャパニックは今期の最初の収入の百万ドル(約1億円)を人種差別に反対する運動などに関わっているグループに寄付をすると言っています。

このような行動はプロフットボールの選手だけでなく、他にも広がっています。

 サンフランシスコのミッションハイスクールでは先週の試合で全員が国歌斉唱に起立でなく片膝をつきました。このチームは黒人だけでなく、白人、ラテン系、アジア系などの生徒達ですが、全員一緒にしようと事前に話し合いをしたそうです。東海岸の方で、私立の学校の生徒がこれに参加した為、停学処分になった生徒もいるとか。
ただ、カリフォルニアは自己主張の自由が学校で認められていて、自分の意見を主張した為にそれで罰則を受けるのは違法らしく、先生も生徒の自由にさせています。

このように賛成する人達の行動に対して、それを反対する人達も多いです。今一番売れているフットボールの選手のジャージーはキャパニックのナンバー7だそうですが、それはそれを着る人も増えた代わりに、それに火を付けて燃やす人も増えたからだそうでする。

私もこのキャパニックの事が報道された時、最初に思ったのが根津さんのことでした。日本の子供同士のいじめの多いのは大人の社会のじめじめとしたいじめを子供が見ているからだと思いますが、根津さん達の長い戦い、本当にごくろうさまです。
この間、NHKのニュースを見ていて、ひとつ驚いた事は日本の若い人達は君が代の歌詞の意味をよく知らないと答えた人が多かったことでした

▼2016年9月24日。

(前略)前回でミッションハイスクールの事を書きましたが今度はオークランドのキャッスルモントのハイスクールで選手達ばかりでなくそのコーチも国歌斉唱中、片膝をついて拳をあげたそうです
又、オークランドの学校区で形成されているブラスバンド155人はこの水曜日、オークランドのプロ野球チーム、オークランドAsの試合開始前に国歌を演奏したのですが、その間、全員立たずに片膝をついて演奏したそうです。

 今日(9/23)のクロニクルの新聞の一面の写真は女性のサッカーナショナルチームが国歌斉唱中、他全員が右手を胸に当てて直立している中で一人、片膝をついている写真です。

今迄は一部の左派系の人達(スティーブも含めて)で立たない人達を見てきましたが、キャパニックの行動によって、このように一般の人達、特に若い人達が実際に疑問を持ち、話し合いをしたりして、このような行動に出だしたというのは今回が初めての経験です。

アメリカは大変狂信的な右派も多い国ですから、なかなか皆の前でこのような行動に出るという事はそのしっぺ返しを覚悟しなければいけませんから大変ですが、キャパニックの行動によって勇気を得たのでしょう。
この日曜日には又、プロフットボールの試合があります今度は何人がひざまずくか。

2016年10月12日水曜日

アレックス・マーシャル著『コリン・キャパニックは日本人でなくてよかった』

『コリン・キャパニックは日本人でなくてよかった』

        アレックス・マーシャル(英国ジャーナリスト)
              訳:田口 俊樹さん(翻訳家)

 

 コリン・キャパニックがアメリカ国歌を拒否しても――今やこれに賛同して同じ行動を取る選手も出てきた――動じない人がひとりいるとすれば、それは60代後半の細身の日本人女性、根津公子さんだろう。

 根津さんほど長期にわたって国歌を拒否している人は世界的に見ても例がない。
元教師の根津さんは20代の頃から国歌を軍国主義の象徴と見なし、国歌演奏時の起立を拒否しつづけ、そのためにこれまで罰金を科せられたり、半年にも及ぶ無給の停職処分を受けたりしてきた。
そればかりか、演奏時間55秒の『君が代』に対する態度矯正のため、無数の再教育講習を受けることを強要されたこともある。
『君が代』は天皇の統治が「さざれ石の巌となりて苔のむすまで」続くようにと願う歌である。彼女には、自宅周辺に右翼団体にやってこられ、街宣車で東京じゅうをつけまわされ、
「帰れ、帰れ」(そう叫ぶことで、彼女が北朝鮮出身だとほのめかしている)と大声を張り上げられた時期もある。郵便でカミソリの刃を送りつけられたこともあった。殺人を意味する昔からよくある脅迫である。

 要するに、根津さんの体験はキャパニックをはるかに凌いでいるということだ。にもかかわらず、彼女は彼に対してこれ以上ない同情を示して言う。
「彼はまだ28歳です。彼のやっていることは選手生命を危うくするものです。わたしの行動がほんとうに職を失う危険をもたらしたのは50代の頃のことで、わたしの子供たちはすでに成人していました。だから(彼らには)自分の世話は自分でできました。わたしもまだ20代で、家族を養う責任を負っていたら、わたしが50代で取ったような行動は取れなかったでしょう。だから彼には深く感銘を受けています」

 アメリカ人の中には、キャパニックが国歌を拒否したことを何か新しいことのように思う人もいるかもしれない。しかし、国歌拒否など世界じゅうで常に起きている。スポーツの世界でもそれ以外の世界でも。国歌を聞く者がその国の現状を批評する際、国歌の持つ象徴的な価値観や理想主義的な歌詞(アメリカ国歌の一節「自由の地、勇者の故郷」などその好例だろう)が利用されるというは、しょっちゅうおこなわれていることである。

 こうした抵抗運動が興味深いのは、抵抗運動それ自体に関することだけではない。そのような事態の出来(ルビ、しゅったい)、さらにその抵抗が惹き起こす反応。それらはその国における国家主義の現状を大いに露呈させる。
インドを例に見てみよう。国歌『ジャナ・ガナ・マナ』演奏時の起立を拒否したことで 映画界から追放された人物が、この2年間で数人いる。
この歌はナレンドラ・モディ首相のもと、インドに国家主義が復活したことで、ますます大きな公的役割を演じているように見える。たとえば、マハラシュトラ(ムンバイのある州)では映画を上映するまえに国歌を演奏することが義務づけられている。それはケララ州などほかの州でも同様である。

 33歳のマヘク・ヴィアスは、偶然としても思わぬ巻き添えを食ったひとりだ。
2014年、ムンバイの映画館で南アフリカ人の恋人がインド国歌に起立しなかったことで、うしろに坐っていた観客から嫌がらせを受けた。彼が怒鳴り返すと、逆にひどく殴られた。
ヴィアスは、この出来事がモディ首相のもとでインドを覆うこれまでにない空気と関係があるとは思っていない。「実際、ムンバイで国歌を演奏することを決定した政党は十五年前の国民会議派だったんだから」と彼は言う。

しかし、そんな彼も、国歌に対するさまざまな態度がさまざまな場面で軋轢を生んでいるとは思っている。
「国民の反応がいいということで、今はスポーツの試合のまえに国歌が演奏されてるけど、それはおかしいよ。会社に出勤したり空港に到着したりしたときにも、毎日国歌を歌ってるわけじゃないんだから。ぼくはインドを信じてるし、多くの国民が自由のために命を落としたという事実もそのとおりだと思うけど、だからといって、誰もが国家主義的態度をこれ見よがしに見せなければならないということにはならない。人に押しつけていいということにもね」

 イスラエルでも最近、国歌拒否問題が大いに注目を集めた。二〇一二年、サリム・ジュブラン最高裁判事が宣誓就任式において国歌『ハティクヴァ』を歌うことを拒否し、論議を呼んだ一件だ。
ジュブランはクリスチャンであり、アラブ系イスラエル人でもある。だから「ユダヤの魂が……今もエルサレムの地を渇望している」と心から歌うことはできなかった。

しかし、国家主義者はそんなことなど斟酌しなかった。彼の態度への激しい批判がやむことはなかった。同様の論議は、セルビアや、サッカー選手が国歌を歌うことを拒否したフランスでも起きている。
(極右政治家、マリン・ル・ペンは案の定、理由のいかんにかかわらず、国歌を歌わなかった選手の存在を政治的に利用しようとした。)
 しかし、国歌抵抗運動が最も長く続いているのは日本だろう。その歴史は第二次世界大戦時にまでさかのぼる。当時、国歌は天皇をカルト的人格に仕立て上げようとする明確な役割を演じていた。戦後、新たに教職員組合が結成されたが、そのスローガンは「教え子を二度と戦場に送るな」というもので、組合結成の目的のひとつが、学校の始業式や終業式に堂々と演奏される国歌に反対することだった。

 根津さんは子供の頃は喜んで『君が代』を歌ったと言っている。日本人であることが誇らしくてならなかったそうだ。「わたしたちは誰より幸運だと思いました。
特別な行事のときにしか歌われなかったから、『君が代』を聞くたびにわくわくしました。」
しかし、大学時代、戦時中に中国や韓国で日本軍が犯した残虐行為を本で読み、自分には与えられている未来が戦時中の中国や韓国の人々には一切なかったことを知ると、起立などとてもできなくなった。

 教員生活を続ける中で、国歌に対する彼女の態度が問題視されることはほとんどなかった。それが1990年代になると、政府は愛国心を育むことを狙いとし、さらには給与と関連づけてまで教員の起立を強制するようになる。その結果、対立が表面化するようになり、事態も緊迫する。
そんな中、よく知られているのは1997年の事件だろう。
東京の北部のある学校(注:所沢高校)で、国歌斉唱のおこなわれる入学式を生徒たちが集団でボイコットしたのだ。この事件はその後数週間にわたって、彼らはほかの生徒の模範となる生徒なのか、それとも最も恐るべき日本の十代なのか、という論争を全国に巻き起こし、事件を扱った“マンガ”まで現われる。

 根津さん個人にとって状況が一変したのは2003年のことである。この年、右翼扇動家、石原慎太郎を知事として頂く東京都は、同年におこなわれる入学式と卒業式において起立しなかった教員を処分することを発表した。(その後、大阪府も同類の右翼扇動家、橋本徹のもと、東京に倣った。)処分をちらつかされた教員はその大半がおとなしく服従したが、根津さんと数人の教員は断固拒否を続けた。
そのため、まず一ヵ月の賃金カットを受け、次はそれが半年に延びた。そのあとまず一ヵ月、続いて三ヶ月の停職処分を受ける。あまつさえ毎年、別々の学校に異動させられた。
その中には通勤時間が自宅から二時間もかかる学校もあった。どう見ても、管理者は彼女をひたすら退職に追い込もうとしたのである。

 日本の国民の大半がこのような粗暴な新政策を受け入れている事実は、おそらくこの国が国家主義に大きくシフトしていることを示しているのだろう――もっとも、教員たちの主張をきちんと理解している国民が数少ないという事実もあるが。
つまるところ、戦後70年以上も経ったのである。国歌は現在の大半の国民にとって、大いに敬愛する天皇の統治が地質学上ありえないほど長く(小石が岩に変わる!)続くようにと願う歌にしか聞こえていない。

 「家族はわたしの行動を受け入れてくれました」と根津さんは話す。「こういう母親だということはわかってくれていました。ですが、同僚の教員や友人の中にはわたしを排除しようとする人もいました。それがとてもつらかったです。それでも、わたしが弱気になると、誰かが支えてくれました。新たに起立を拒否する先生も現われました。それでわたしも頑張らなければいけないと思ったのです」

 都が管理締め付けに大成功を収めて以来、日本の空気は少しも変わっていない。〈ガーディアン〉紙によれば、今年の7月、ある元首相はオリンピック選手団に向かって「大声で国歌を歌う」ように言い、歌えない選手は「日本代表の資格がない」と見なすとまで宣したという。
安倍晋三が、国歌を歌うことは日本が本来持っている自信の証しだと訴え、今なお国歌を押しつけつづけているのもなんら驚くにあたらない。

 根津さんは2011年に退職して以降も国歌から離れることができないでいる。現在いくつも法廷訴訟を抱え、受けた処分の撤回を訴え、さらに国歌に起立を強制することが思想、信条の自由に反することを立証しようとしている。

 キャパニックは根津さんの例からどんな教訓を得ればいいのか。
アメリカにおける人種差別問題と、シンボルとしての国歌をどう扱うべきかという論争を世界的に巻き起こしたという点で、彼の目的は達せられた。そう考えるのが現実的な解答ではあるだろう。
日本の戦争責任と『君が代』が国歌としてふさわしいのかどうかという点について、日本の教員たちは、70年に及ぶ抵抗の中でそこまでの論争を惹き起こしてはいない。
根津さんにしても今のところ勝ったとは言えない。それでも、キャパニックが学ぶ教訓はほかにもあるはずである。それは人々が彼の抵抗にすぐに無関心になっても、だからといって抵抗をやめる必要はないということだ。

 キャパニックが学ぶべき一番の教訓。
それは根津さんにとってはいささか散文的すぎるかもしれないが、それでも彼は学ぶべきだ、自分が日本人でなかったことをどれほど感謝すべきか。
「この国でスポーツ選手が彼のようなことをすれば、チームから追放されるでしょう」と彼女は言う。
「一瞬にして選手生命を断たれてしまうでしょう。だからこそ、わたしは自分が正しいと信じることを断固やり抜こうとした彼の決意に感動するのです。」

田口さんについての紹介。
 彼は、エドワード・スノーデン(元CIA・NSA職員)が暴露した機密情報を著したグレン・グリーンウォルドの本「シチズンフォー・スノーデンの暴露」の訳者でもあります。(映画化もされています。ご覧になったかも知れませんね)
田口 俊樹に関してはWikipediaでも検索できます。


コリン・キャパニック選手の国歌起立斉唱拒否と根津さん

「河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会ニュース№58号(2016.10.05)」に渡部さん執筆の「コリン・キャパニック選手の国歌起立斉唱拒否と根津さん」の付録がついていました。この問題については包囲ネットブログでも断片的に紹介してきましたが、渡部さんの文はまとまっているので紹介します。



 コリン・キャパニック選手の国歌起立斉唱拒否と根津さん      
   
                                    渡部秀清(「ひのきみ全国ネット」<首都圏>)

★8月26日、アメフトのコリン・キャパニック選手が、試合前の国歌斉唱場面で、人種差別と警官の暴力行為に抗議して起立斉唱を拒否した。アメリカでは賛否両論が渦巻き、国際的にも注目された。オバマ大統領はキャパニック選手の行動を「表現の自由」の問題であるとして擁護した(9月5日)。

★そうしたところ、『共和か死か!~世界国歌の旅』(2015)の著者アレックス・マーシャル(イギリス人)から、レイバーネットの松原さんへ手紙が来た(9月6日)。
「2014年にあなたは、私が国歌について書いていた本のために、 根津公子さんへのインタビューを手配してくれました。・・・・アメリカで今、アメリカンフットボールのコリン・キャパニック選手が、公子と同じように、アメリカの国歌にすることを拒んで、大きな注目を浴びています。・・・私は、世界中で同時に起きている国歌への抗議について、公子や日本の教員たちの物語を含めて、論説を書こうとしています。」
そして、「(1)最近公子に何が起きていますか?彼女はまだ裁判で争っていますか?
(2)公子は コリン・キャパニック選手のことを聞いていますか。それについて何かコメントしていますか?」と質問してきた。

★根津さんは早速返事を書き、教え子の田島夏樹さんに英訳してもらい、送った(9月7日)。
根津さんはその中で、<コリン選手が「黒人や有色人種への差別がまかり通る国に敬意は払えない」「差別は私にとってフットボールより大事なこと。見て見ぬふりをするのは自分勝手だ」と発言したことを知って、痛く感動しました。><「私を含め、国旗国歌問題がある国に住む人たちは、コリン選手の問題提起から学びたいものです。>と書いた。

★一方「ひのきみ全国ネット」<首都圏>では、9月15日の田中聡史さんの今年最後の再発防止研修に合わせ、オバマ大統領がキャパニック選手を擁護したチラシを作り、出勤する研修センターの職員たちにまいた。何人かが受け取った。

★同日、米国の外交問題隔月刊誌『フォーリン・ポリシー』にアレックスの論説『「国歌斉唱拒否」のキャパニック選手は日本人でなくて幸運だった!』が掲載された。
そこで、そのことをメールで流し(9月17日)、「どなたか訳して下さいませんか」とお願いしたところ、たちまちのうちに数人の方がそれを翻訳し、送ってくれた。
最終的には、翻訳家・田口俊樹さん(元都立高校教員Hさんの紹介)の翻訳をメールで流すことになった(9月22日)。
私はこの間の動きで、改めて国内外の人々の連帯した力を知ることが出来た。この場を借りて、協力してくださった皆さんにお礼を申し上げます。

★「日本の戦争責任と『君が代』が国歌としてふさわしいのかどうかという点について、日本の教員たちは、七十年に及ぶ抵抗の中でそこまでの論争を惹き起こしてはいない。根津さんにしても今のところ勝ったとは言えない。それでも、キャパニックが学ぶ教訓はほかにもあるはずである。それは人々が彼の抵抗にすぐに無関心になっても、だからといって抵抗をやめる必要はないということだ。」
なお、アレックスの論説の冒頭には、「コリン・キャパニックがアメリカ国歌を拒否しても――今やこれに賛同して同じ行動を取る選手も出てきた――動じない人がひとりいるとすれば、それは60代後半の細身の日本人女性、根津公子さんだろう。根津さんほど長期にわたって国歌を拒否している人は世界的に見ても例がない」と書いてあり、最後の方には次のように書いてあった。

「日本の戦争責任と『君が代』が国歌としてふさわしいのかどうかという点について、日本の教員たちは、70年に及ぶ抵抗の中でそこまでの論争を惹き起こしてはいない。根津さんにしても今のところ勝ったとは言えない。それでも、キャパニックが学ぶ教訓はほかにもあるはずである。それは人々が彼の抵抗にすぐに無関心になっても、だからといって抵抗をやめる必要はないということだ。」

 





2016年10月10日月曜日

「部下が悪い」「トップは責任がない」?? 石原元都知事の非常識と無責任

「部下が悪い」「トップは責任がない」?? 石原元都知事の非常識と無責任  

※近藤徹さんからの寄せられました。
トップの社長が深々と謝罪する―「欠陥自動車」問題なとでの記者会見の光景だ。
ところが、豊洲市場問題(地下空間、有害物質により汚染など)の石原慎太郎元都知事の発言、態度はこれとは正反対。「部下が悪い」「トップは責任がない(責任を取らない)」との無責任な態度だ。これは非常識であるばかりか居直りだ。そもそも中央卸売市場の築地から豊洲移転を決め、押しつけた張本人の態度とは思えない。

◆裁判を闘い続けて13年―粘り強く奮闘

こんなとんでもない都知事の下で都教育委員会(横山洋吉教育長・当時 石原の「一の子分」と言われる)が発出した10・23通達(2003年)により卒入学式などでの「君が代」斉唱時の不起立・ピアノ不伴奏などで延べ428名もの東京の公立学校の教職員が処分されています。
処分された教職員が10・23通達撤回、不当処分撤回を求めて司法に訴え、裁判闘争を闘って13年目になります。
東京「君が代」裁判原告団は、四次訴訟(10~13年処分取消請求)原告14名、再処分・都人事委員会・審査請求人16件・14名、14~16年卒入学式処分・都人事委員会・審査請求人9件・7名、再雇用拒否撤回第二次訴訟原告22名、再雇用拒否撤回第三次訴訟原告3名の計60名(延べ人数)の都立学校(都立高校、都立特別支援学校)の現・元教職員で構成されています。
東京「君が代」裁判第三次訴訟は、東京地裁・高裁で26名の減給・停職処分の取り消しが確定し一部勝訴したものの、最高裁の上告棄却・上告受理申立不受理の不当な決定で、戒告処分取消・損害賠償請求が認めらませんでした。
このような状況を打開し戒告を含む全ての処分の取り消し・損害賠償を勝ち取るために、後続の東京「君が代」裁判第四次訴訟、都人事委員会審理の闘いが重要です。特に、地裁に係属している東京「君が代」裁判第四次訴訟は、10月より山場の証人尋問が行われます。
「日の丸・君が代」強制は「戦争への道」との思いを胸に、命令と処分による教育支配、再発防止研修の強化など都教委の卑劣な攻撃と正面から対決して闘います。ご支援をお願いします。
以下、四次訴訟原告からの訴えです。
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◆司法に届け、私たちの叫び

 ~10月14日(金)の原告本人尋問にご参加を~

■2014年3月に提訴した東京「君が代」裁判第四次訴訟も、以来2年半が過ぎました。この間の皆さんのご支援に心から感謝申し上げます。

■この訴訟も、10月14日と11月11日に原告本人尋問が予定され、いよいよ最重要段階に入ります。私たちはこれまで、11回の口頭弁論で原告が必ず陳述し、「譲れない不起立の思い」「「学校現場がいかに破壊されたか」「証書を自分で受け取れるフロア形式こそ」「戦争は教室から始まる」「再発防止研修は思想変更を迫るもの」などの主張を繋いできました。最後の弁論に立った原告は「夭折していった子どもたちへ、今後も怠けず、子どものために尽くす、と誓った日を私は忘れるわけにはいきません」と結びました。

■弁護団は、訴状の冒頭で「最高裁判決に漫然と従ってはならない」と訴え、最高裁を視野に据えながら弁論を組み立ててきました。その後、佐々木裁判長の3次訴訟での地裁判決を徹底批判し、「通達の真の狙い」「学習指導要領は大綱的基準であること」などを再度強調しつつ、「教育の自由と不当な支配」「生徒の学習権」「国際人権」「『儀礼的所作』のごまかしと価値多元性」など、様々な観点から我々に大義があることを主張してきました。

■その総決算の場が本人尋問です。ここで佐々木裁判長に私たちの思いをぶつける中で、ぜひとも「すべての処分の撤回」と、「通達の違法・違憲性」を勝ち取っていきたい、その決意で臨みます。当面、1回目の原告本人尋問(7人)をぜひ傍聴してください。心からお願いいたします。
(四次原告 KY)

■田中聡史です。私も原告の一人である東京「君が代」裁判第四次訴訟の証人尋問が以下の日程で行われます。私の本人尋問は10月14日午後です。他の原告の方々の本人尋問も併せて、ぜひ傍聴してください。今回は定員98名の法廷です。

★東京「君が代」裁判第四次訴訟・証人尋問1回目
(東京地裁民事11部。2010~13年処分取消請求、原告14名)
 10月14日(金)
  9時30分 傍聴希望者集合(抽選なし・先着順) 
  9時55分 開廷 16時30分まで(昼食、入れ替えあり)
  東京地裁103号(大法廷 定員98名)
  内容:原告証人尋問 (7名 予定)
  報告集会:ハロー貸会議室虎の門(案内あり)

★東京「君が代」裁判第四次訴訟・証人尋問2回目
(東京地裁民事11部。2010~13年処分取消請求、原告14名)
 11月11日(金)
  9時30分 傍聴希望者集合(抽選なし・先着順) 
  9時55分 開廷 16時30分まで(昼食、入れ替えあり)
  東京地裁103号(大法廷 定員98名)
  内容:原告証人尋問 (6名 予定)
  報告集会:場所未定。追って連絡。

 
<こちらもよろしく!> 予定に入れておいてください。
★東京「再雇用拒否」第三次訴訟・控訴審第3回口頭弁論
(東京地裁民事19部。2011年再雇用拒否の損害賠償請求、原告3名)
 12月5日(月)
  13時30分傍聴希望者集合(抽選なし・先着順)
  14時開廷 
  東京高裁511号(定員42名) 
  報告集会場所未定。追って連絡。