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2016年7月17日日曜日

7/15 田中聡史さんの再発防止研修との闘い

●渡部さんの報告

 7月15日(金)、「君が代」不起立で減給10分の1、1か月処分の田中聡史さん(石神井特別支援学校)に対する再発防止研修が都の研修センターで行われた。センター前には研修抗議と田中さん支援の為に約50人が集まった。(わざわざ大阪や千葉からも抗議・支援に駆けつけてくれた方がいた。)
★田中さんが研修センターに入る前、代理人の澤藤弁護士は次のように語った。

 「所属校研修」と言いながらなぜ田中さんに限ってセンターに呼んでやるのか(他の該当者二人は所属校で行われている)。本人には大きな負担であり、懲罰的な研修だ。いじめ・嫌がらせの研修だ。心理的負担で圧力をかけ、攻撃し、思想良心の自由を投げ出すように仕向けている。
 また、子どもの教育権を侵害すしている。受講を拒否しているわけでもない田中さんは
 授業に差し支えないように申し出ている。しかし、都教委はこれを全く無視して(授業があるのに)呼び出している。子どもの教育の事を一顧だにしない教育行政とは何か。まじめな教員が不真面目な教委にいじめられている。
 アベコベの図式だ。「授業していたのに処分」された福嶋さん(裁判で福嶋さんが勝訴)
 と同じあやまりが、再び繰り返されている。
 2004年の東京地裁決定では、「繰り返し同一内容の研修を受けさせ、自己の非を認めさせようとするなど、公務員個人の内心に踏み込み、著しい精神的苦痛を与える程度に至るものであれば、そのような研修や研修命令は合理的に許容される範囲を超えるものとして違憲違法の問題を生じる可能性があると言わなければならない」
と述べている。再発防止研修はこれらにみんな反している。都教委に警告せざるを得ない。

その後、「被処分者の会」、「ひのきみ全国ネット」、「練馬問題研究会」などからも申し入れがおこなわれ、さらに田中さんが研修センターに入った後もシュプレヒコールや集会が続けられた。

★研修終了後、出てきた田中さんは次のようなことを述べた。

 研修では、理科の授業で教科書を使わずに授業していることについて問うような事があった。しかし、同じ内容の繰り返しだ。2004年の決定に反している。このような違法性の高い研修はすべきではない。中止すべきだ。
 今年私は3年生の学年担任だ。最小の人数で教育活動をしている。本日の午前中も授業があり、心苦しかった。同僚に謝ってから研修に来た。こうしたことを都教委はやっている。不当な研修だ。最後にはいつものように「全体の奉仕者として今後もやっていく」と書いてきた。

★なお、「教育公務員特例法」<第四章 研修の機会第二十二条>には、
 「教員は、授業に支障のない限り、本属長の承認を受けて、勤務場所を離れて研修を行うことができる」と書いてある。都教委のやっていることは、これに照らしても違法であり、教育の破壊としか言いようがない。

●千葉の近さんから報告

 7月15日、「君が代」不起立教員への都教委「いじめ研修」抗議(激励)行動に参加のため水道橋の都教委研修センター前に出向きました。
到着すると、田中先生が研修センターに入るところで、“激励”に間に合いました。
4階で恫喝・脅迫・嫌がらせに耐えるT先生を支援する声を門前で上げ、その後、各地の報告など門前集会がつづきました。
わたしもチョッとだけマイクを握りました。
「今日は、良心を守るT先生の側に立つ良心としてここにきました。」とここに来た気持ちを話しました。その後「入り口に並ぶ都教委の皆さん、皆さんは教員・公務員として採用されたとき日本国憲法を守ると宣誓していますよね。そのあなたたちが、なぜ良心を踏みにじる側にいるのですか? 憲法を守る側に立つことができないのですか? わたしは、千葉県立高校の教員として38年間、憲法遵守義務を負う立場で生きてきました。
いま、その義務から解放されても、気持ちは変わりません。」と話しました。

帰りの電車のクーラーに耐えながら、
「昔(40年前)は都立学校といえば、自由で待遇もよくて全国の教員の憧れだったのに…」と考えたりしてました。今や、「全国の教員が同情する」都立学校の状態が都教委によって作り出されています。
教員の職場環境が悪いということは、生徒の教育環境が悪いということです。
いじめ研修を受けさせられた田中先生は、今日も授業があるというのにいじめ研修を強制するために授業を行わせずに研修センターに呼び出しています。子どもたちの教育を考えず、権力の徹底を強引にすすめる都教委は、安全を考えない原子力安全委員会と同じです。
東京都“非”教育委員会とでも名前を変えるべきでしょう。
門前に立つ都教委職員(多くは元教員でしょう)の精神にも悪影響です。千葉県教委のお役人の一人は生徒から「僕たちの学校を残して!」と追求され、精神のバランスを崩してしまいました。
都教委は田中先生の心を傷つけているだけでなく、都教委職員の精神にも頽廃を強制していることを忘れないでもらいたいです。
わたしは千葉県民ですが、東京の様子を見ているだけで、悲しくなります。
もし、わたしが東京の教員だったら処分され、いじめられ、クビになっていたかもしれません。現在、千葉県も東京化してきて学校・教員・授業・教室は萎縮しています。
結果、教室はDV空間となって教育が失われていきます。誰も得しません。そういうことを防ぐのが、教育委員会のお仕事だったはずです。今では教育委員会が教育の破壊者となってしまっています。

●大阪から夜行バスで参加されたMさん
7月15日の田中聡史さんの再発防止研修に抗議する行動に参加しました。6月15日に続いて2度目の参加です。今回も、雨の中50人が駆けつけ熱気に溢れていました。
  一つ疑問があります。「繰り返し同一内容の研修を受けさせ、自己の非を認めさせようとするなど、公務員個人の内心の自由に踏み込み、著しい精神的苦痛を与える程度に至るものであれば、そのような研修や研修命令は合理的に許容される範囲を超えるものとして違憲違法の問題を生じる可能性があるといわなければならない」との2004年7月23日の司法判断を踏まえ、何らかの法的措置で都教委を追い込むことは出来ないのでしょうか。