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2015年1月10日土曜日

都教委の防災訓練に名を借りた自衛隊隊内訓練の推進を暴くブックレット(7)

「6、都立大島高校の『宿泊防災訓練』」です。


 2014年は都立大島高校が自衛隊施設での宿泊防災訓練を実施することになりました。
・・・4月28日付、・・校長名で『申込書』が提出されています。・・この『申込書』の中で、校長は、大島の災害の際に、『自衛隊等の国の機関の行動は町中の人が感謝している』 ことを示しています。・・・

ここで問題なのは、
(1)大島の災害復興に貢献したのは自衛隊だけではありません。消防署員や警察官等も大きな役割をたしています。ところがここでは自衛隊のみが強調されています。
(2)・・校長は、学校が災害時に避難場所になるだろうことを前提に自衛隊との連携の 役割を生徒にめ、その訓練をする趣旨のことを書いています。・・
  このように考えるならば、大島高校の自衛隊駐屯地での訓練は、その目的が曖昧であるだけでなく、むしろ違うところにその目的があると考えるべきです。(永井栄俊)

<自衛隊駐屯地での「宿泊防災訓練」を阻止するためにー大島高校をめぐる動きを中心に>    種田和敏(自衛隊をウオッチする市民の会事務局長・弁護士)

・東京新聞が大島高校の自衛隊訓練を報道
  「2014年7月10日の東京新聞の夕刊に、都教委(短縮)の定例会において、大島高校の2年生33人が2014年11月26日から28日までの二泊三日の日程で、陸上自衛隊武山駐屯地(神奈川県横須賀市)において、宿泊防災訓練を行うことの発表を報じました。・・」

・田無工業高校の自衛隊訓練の延長線上に大島高校の訓練もある
「・・田無高高校での宿泊訓練で明らかになったことは、同訓練が防災訓練とは名ばかりで、実態は自衛隊の広報活動の一環であり、特に対象が高校生であることからして、
 募集広報活動の色彩が強いものであるということです。・・また、訓練の内容においても、通常の防災訓練で行われる救急救命技術の教示などはわずかに限られ、消防学校では取得できる救急救命の資格も得ることができません。
 他方、更新訓練やベッドメイク、非常呼集など、通常の隊内生活体験で実施されるメニューもそのまま残った状態で実施されました。・・・
 ・・このような実態を目のあたりにし、・・・自衛隊の基地の中で、高校生を招き入れて、しかも希望者に限定するのではなく、学校行事の一環として参加を強制する、この訓練を許すわけにはいきません。」

・八月に大島町で自衛隊での防災訓練について講演
 「・・そんな折、大島町の中でも具体的な動きがあり、これまでの訓練の概要も含め、 今後どのような運動をするべきかを考える上で、まずは学習会をしたいという要望が当会に寄せられました。
 そこで私・種田が、2014年8月24日午後、大島で講演をすることになりました。
講演には50名近くの方が集まりました。人口約8000人の島ですが、集客は予想よりも多く、この問題に対する関心の高さをうかがわせました。・・」

・大島町民からは反対運動の提起がだされた
 「講演後の質疑応答では、当初主催者の方からは大島の人はおとなしい人が多いから、何も質問がでないかもしれないというお話がありましたが、ふたをあければ正反対でした。
『私も』『私も』という勢いで、予定時間を大幅に超えて質疑応答が続きました。
 特に印象的だったのは、自分たちの立場で、今、何ができるのか、何をすべきなのかを真剣に考えているからこそ出る質問が多かったことです。
訓練のおかしさに気づき、自衛隊には震災での感謝の念もあるものの、おかしなことにはおかしいと言おうという気概が強く感じられました。
 最終的には、『校長に電話をしよう』、『校長にみんなで面談の申し入れをしよう』、などと具体的な行動提起になっていました。・・
 やはり、地元の声は大切です。地元が声を上げなければ大島高校の校長にも声は届かないでしょう。地元が声をあげれば、その声を教育委員会も校長も無視できないでしょう。そして、地元、生徒、保護者が一体となって『おかしい』と声をあげ、それを支援する人の輪がいろいろなところで広がれば、理不尽なことを阻止できると思います。
・・高校生を自衛隊の基地で泊まらせたからといって、戦争に子どもを行かせることに直結するわけではないという意見もあるでしょう。
 しかし、戦争の足音は大きくなってこれはまずいという段階に至れば、すぐに止められるような代物ではありません。・・・
 なお、大島からの報告によると、住民の皆さんが大島高校の校長に対し、各種アプローチで自衛隊と連携した宿泊訓練をやめるよう働きかけた結果、同校長は、今年度(2014年度)については実施が決定しているので、いまになってやめることはできないが、来年度(2015年度)については、自衛隊と連携した宿泊訓練はやらないと職員会議で公式に表明したとのことです。・・」
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ここでは、大島における住民たちの反対運動が述べてあります。そして、「おとなしい」と思われていた大島の人たちが、次々に声を上げたことが述べられています。
これは決して例外ではないと思います。歴史ではこういうことはよく起こります。人間はそれほど変わりはありません。いつの時代でも、またどの国・地域でも、人民大衆こそ歴史を動かす原動力であり、主人公なのだと思います。

次回は、「7、東京都総合防災訓練とこれへの児童・生徒の参加」です。

6、都立大島高校の『宿泊防災訓練』です。

 「2014年は都立大島高校が自衛隊施設での宿泊防災訓練を実施することになりました。