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2014年11月14日金曜日

杉浦裁判控訴審判決確定 都教委上告断念!

10/30 杉浦孝雄さん再任用更新拒否訴訟控訴審判決 全面勝訴!
11/13 上告期限過ぎても 都教委上訴せず 高裁判決確定=勝利!

◆一審に続き再び全面勝訴 都教委を断罪!
10月30日、杉浦孝雄さん(元都立杉並工業高校)の再任用更新拒否訴訟・控訴審判決がありました。東京高裁第2民事部柴田寛之裁判長は、一審東京地裁判決(14年3月6日)を踏襲して、杉浦さんが希望する再任用の更新を拒否したことが「裁量権の逸脱・濫用」で「違法」であるとして、「逸失利益」50万円及び精神的苦痛に対する慰謝料20万円、計70万円の損害賠償を被告東京都に命じました。(近藤徹さんの報告です。)

一審に続き都側の不合格理由を全て斥け、都教委を断罪した完全勝訴の判決です。

<主文>
1.本件控訴を棄却する。
2.控訴費用は控訴人の負担とする。
*本件は一審で杉浦さんが勝訴し、都教委が控訴したので控訴人は東京都です。(注 近藤)

◆都側の主張を全て斥け、杉浦さん側の主張を採用する!

(1)再任用の期待権を認める。(「  」は判決文の引用)

「同制度(再任用制度のこと)は、公的年金における・・・満額年金の支給開始年齢の引き上げに合わせて、公的部門における再任用の機会を設定し、高齢職員に雇用機会を提供するという考えに基づき導入された・・・再任用の更新の申し込みをした被控訴人(杉浦さんのこと)において、再任用期間終了後も雇用が継続されると期待することが無理からぬ事情があった・・・」

(2)細川校長、都側の不合格理由を全て斥け、杉浦さん側の主張を採用する。(括弧内は近藤の注)
①控訴人は、分掌希望調査を教員が校長に出したのは、校長の人事権を侵すと主張するが、分掌希望調査の提出行為自体が校長の人事権を侵害するとは言えない。
②控訴人は、被控訴人が海外修学旅行の校長提案に対しての発言などで円滑な学校運営、校長の意思決定を妨げたと主張するが、校長の校務についての意思決定を侵害したとは認められない。
③学校創立50周年記念行事の校長方針に異議を唱え校務運営を阻害したと主張するが、校長の権限や企画調整会議を中心とした学校運営を阻害したとは言えない。
④公募制人事について職員に直接説明することを要求した行為は、校長の人事権に影響を与えようとする言動だと主張するが、校長の決定そのものに影響を与えようとする言動であるとは評価できない。
⑤業務・服務監察についての杉浦さんの発言(詳細は略)は、業務・服務監察の指摘に反対する意見だと主張するが、被控訴人の発言が学校運営を阻害するとは言えない。
⑥(都労連)1時間ストライキについての(分会の)申し入れは、服務規律違反だと主張するが、校長の権限を不当に抑圧したと評価できない。
⑦面接評価表について、控訴人は、再任用の面接は実質的に行われていたと主張するが、再任用のための面接が実施されたと評価することは到底できない。

都・校長側の主張は、まさしく事実をねじ曲げた「噴飯もの」ですが、行政の「裁量権」を広く認める判決が多い中で、事実認定で、都側の不合格理由を全て斥け、原判決(2014年3月6日 東京地裁)に基づき(1)逸失利益50万円、(2)慰謝料20万円の支払いを命じたのです(精神的苦痛に対する慰謝料を認めることは滅多にない「快挙」)。

◆教職員を励ます判決を広げよう!

職員会議での挙手裁決を禁止する都教委の「学校運営適正化通知」(2006年4月13日)により職員会議が上意下達の機関と化する中で、職員会議で「もの言えば唇寒し」「言っても無駄」という閉塞状況が広がっています。しかし、杉浦さんの職員会議発言、校長交渉での発言を「学校運営を阻害したとは言えない」とした点は大きな意義があり、教職員を大きく励ますものです。

この判決を学校の職場の隅々まで広げ、都教委の「非常識」を打ち破り、「自由で闊達な都立高校」を取り戻す武器にしようではありませんか。

◆杉浦裁判控訴審判決確定 都教委上告断念!

 上告期限の13日を過ぎても都教委は上告せず、控訴を断念しました。東京高裁の勝訴判決が確定しました。

この判決は、①年金と退職後の再任用制度の接続という、雇用の継続の「期待権」を認定し、②職員会議での積極的な発言が「校長の学校運営の妨害」という都側の主張をことごとく斥け、杉浦さんの職員会議発言、校長交渉での発言を「学校運営を阻害したとは言えない」と判示し、③再任用のために適正な評価と手続きが必要であるとしています。

この判決は、教職員の再雇用制度に係わる訴訟、同制度に係わる労使の交渉・協定などにも大きな影響を与えるものと思います。また、職員会議で校長提案などに関して意に沿わない発言をする教職員に対して校長が恣意的に低い業績評価をすることが司法の判断で「違法」とされたとことになります。

この教職員を励ます判決を職場の隅々まで広げ、「自由で闊達な都立高校」を取り戻す武器にしようではありませんか。

◆2つの裁判の傍聴・支援を!

昨日1月13日、東京「再雇用拒否」第三次訴訟第4回口頭弁論がありました。東京地裁527号法廷(定員42名)は、早々と満杯になり、入室できない人も8名いました(お許しを)。原告側は、3名の原告の2011年度の再雇用を不合格にした当時の都教育庁人事部長の証人申請をしましたが、都側は、「別件訴訟の人事部選考課長の尋問記録の提出で足りるので必要ない」と同部長の証人尋問を回避する意向を示しました。この点を含めての進行協議を経て、東京「君が代」裁判三次訴訟の東京地裁判決(1月16日)後の1月22日に次回第5回弁論期日を設定することになりました。

来週、2つの裁判があります。お気軽に裁判傍聴にお出で下さい。裁判所前で被処分者の会がご案内しています。

★再雇用拒否撤回第二次訴訟第15回口頭弁論
(東京地裁民事36部、原告23名。07・08・09年再雇用拒否の損害賠償請求。)
昨年7月以来、1年4ヶ月ぶりの弁論再開です。岡田正則早稲田大学大学院教授の裁量権逸脱・濫用についての証人尋問が注目されます。
 11月20日(木)
  13時30分 傍聴希望者集合(抽選なし・先着順 裁判所前で案内あり)
  14時 開廷  
  東京地裁103号(大法廷、定員98名)
  内容:岡田正則早稲田大学大学院教授証人尋問 
  報告集会:ハロー貸会議室虎ノ門(案内あり)

★東京「君が代」裁判第四次訴訟第3回口頭弁論
(東京地裁民事11部。2010~13年処分取消請求、原告14名)
弁護団は最高裁判決を批判する補充書面を提出します。来年1月16日に三次訴訟で判決を出す地裁民事11部佐々木裁判長に係属しています。
 11月21日(金)
  15時30分 傍聴希望者集合(抽選なし・先着順 裁判所前で案内あり)
         →傍聴抽選なしになりました。
  16時 開廷
  東京地裁527号(定員42名)
  報告集会:ハロー貸会議室虎ノ門(案内あり)

<来春の以下の裁判の傍聴も予定しておいて下さい。>

★東京「君が代」裁判第三次訴訟・地裁判決→いよいよ判決!
(東京地裁民事11部、07・08・09年処分取消請求、原告50名)
 2015年1月16日(金)
  12時50分 傍聴整理券交付〆切(予定)
  13時10分 開廷  
  東京地裁103号(大法廷定員98名)
  報告集会:千代田区立日比谷図書文化館(日比谷公園内)
 *早めにお出で下さい。旗出しがあるので傍聴抽選に外れた方も裁判所前でお待ちください。

★東京「再雇用拒否」第三次訴訟第4回口頭弁論
(東京地裁民事19部。原告3名。2011年再雇用拒否の損害賠償請求。)
 2015年1月22日(木)
  9時30分 傍聴希望者集合(抽選なし・先着順) 
  10時 開廷  
  東京地裁527号(定員42名)

★再雇用拒否撤回第二次訴訟・最終弁論(結審)→いよいよ結審!
(東京地裁民事36部、原告23名。07・08・09年再雇用拒否の損害賠償請求。)
 2015年2月9日(月)
  13時30分 傍聴希望者集合(抽選なし・先着順) 
  14時 開廷  
  東京地裁103号(大法廷、定員98名)