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2013年2月26日火曜日

2/26 近藤順一さんの「累積加重処分取消」裁判判決

■速報!2月26日(火)、近藤順一さんの「日の丸・君が代」処分(戒告から停職まで)累積加重処分取消裁判 の控訴審判決でした。近藤さんご本人からの報告です。

 傍聴、ご支援に感謝します。今日も多くの皆さまが傍聴に駆けつけてくださいました。また、これまで署名などにご協力いただきありがとうございました。

◆高裁判決(第10民事部・園尾裁判長)                                       主文:本件各控訴をいずれも棄却する

裁判長の判決言い渡しは素っ気ないものだった。主文を読み上げてすばやく退廷した。主文の意味は双方(近藤・都側)の請求を認めず、下記の一審判決を維持するというもの。再度、内容を記す。

▼憲法判断(教育の自由・思想良心の自由)不当判決
「10・23通達」、八王子市通達、職務命令は合憲合法

▼裁量権逸脱・濫用、一部処分を取り消す
戒告是認、減給1月・減給6月・停職1月取消

▼国家賠償をみとめず
裁判所、特に下級審(地裁・高裁)は一体何をするところなのか。どんなに公正な判決を請求しても、肝心なところは肩すかしを食らわす。                                               特に許せないのは以下の2点である。
(1)   「第1審原告の強固な意思に基づく不起立の行動は、指導や職務命令に従わないとの姿勢が顕著であることを表すものであり、悪質度合いが大きいものであるということができる。」

(2)   「学校での勉学の締めくくりである卒業式に対する生徒、父兄、来賓その他の関係者の厳粛な式典への期待やその準備に当たる関係者の思いと、これに対する第1審原告の行為とを対比すると、本件第2ないし第4処分が国歌賠償法上違法ということはできず・・」                                                                                                原告の意図を曲解し、不起立・不斉唱の教育的意義を理解しようとしていない。都教委の「日の丸・君が代」強制を追認するものである。

★直ちに上告に向かう                                                     戒告を是認し、教育の自由・思想良心の自由についても、全く不当な一審判決を維持
している。上告し最高裁で公正な判決を請求する。
~~~~~~~~~~~~~~~~
最高裁大法廷を開くのは、
1.16判決を覆(くつがえ)すため!!
すでに最高裁に上告されている事案当該の皆さまが、最高裁大法廷を開かせ弁論を開始する請求を出していくことを支持します。下記「裁判所法 第十条」にありますように、大法廷を開くのは憲法判断と最高裁判決を変更する時です。従って、最高裁大法廷を開く目的は以下の如くであると考えます。
1.    教育の自由について、憲法13・23・26条についての判断を変更し、最高裁独自の判断をさせる。
2.    思想及び良心の自由について憲法19条と、信教の自由について憲法20条について、最高裁判決の内容を変更させる。
3.  1.・2.により、もしくは裁量権逸脱・濫用により、「過去の処分歴等」との権衡で是認した停職3月への適用を変更させる。
4. 1.・2により、もしくは裁量権逸脱・濫用により、それに当たらないとして是認した戒告への適用を変更させる。
5.  1.・2の憲法判断により、もしくは裁量権逸脱・濫用により、現在上告され審理されている事案についての全処分を取り消させる。

今後、皆さまと論議して進めていきたい。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
裁判所法
第十条 (大法廷及び小法廷の審判)
 事件を大法廷又は小法廷のいずれで取り扱うかについては、最高裁判所の定めるところによる。但し、左の場合においては、小法廷では裁判をすることができない。
一  当事者の主張に基いて、法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを判断するとき。(意見が前に大法廷でした、その法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するとの裁判と同じであるときを除く。)
二  前号の場合を除いて、法律、命令、規則又は処分が憲法に適合しないと認めるとき。
三  憲法その他の法令の解釈適用について、意見が前に最高裁判所のした裁判に反するとき。

2013年2月22日金曜日

2/19 大阪府教委 不起立教員に対して再任用を拒否

■2月19日、大阪府教委は、卒業式での「君が代」不起立者に対して、再任用拒否の通知を出しました。それに対して、立ちに、メール、FAX、電話等々の抗議を行いました。そして、2月20日、抗議行動が行われました。それについての大阪からの情報と、渡部さんのコメントを紹介します。

◆抗議集会についての渡部の意見
★ここには、(1)大勢で抗議に押しかけられ戸惑っている大阪府教委、(2)再任用拒否の理由を明確に示すことができない大阪府教委、の様子がよく表れています。

 ここから分かることは、1.不当なことに対しては黙っていないで大衆的い押しかけることが重要だということ。(大きな改革・変革はいつもこのようにして始まる) 2.理由を明示できないのは、<天皇主権・天皇制賛美の『君が代』の強制に従わなかったから>とは公言できないからだということ。

★体罰は基本的人権を踏みにじるものですが、「日の丸・君が代」強制と処分は、基本的人権を踏みにじるだけではなく、天皇主権・天皇制賛美を強制し、国民主権をも権威・権力によって暴力的に踏みにじるものです。まさに許しがたい暴挙と言わざるを得ません。

◆再任用を拒否された辻谷さん(府立高校教員)からの訴え
★本日、支援にかけつけてくださった方々、また、抗議のメール等で支援してくださった方々、ありがとうございました。多くの方々との連帯を感じつつ、この問題は私一人の問題ではないと改めて思いました。

★今夕の「交渉」について簡単に報告します。
 多数の支援者と共に5階府教委の部屋へ。まず、人事課N管理指導主事が対応し、部屋内は執務中であるので、部屋の出口で行いたいとの声に非難の声多々。
 やむなく、私はそこで説明を受け始める。(まぁ、しゃあないか、でも支援者と一緒に聞けるし、それはそれで心強いので良しとする…)
 ところが、同じ人事課K管理指導主事らが現れ、部屋を用意したので、そこで本人のみに説明したいと。立ち合いは全く認めないとの声に、これまた非難ごうごう。(ちゃうやん!それ)

 そこに人事課Y参事が現れ、本人以外は一切立ち合いを認めないとの声に、それなら、そもそも、N主事が、出入口で多数が立ち合うなかで、説明を始めたのはどうしてか?の声に説明できず。ついには、Y参事はN主事の対応が間違ってい たのだと。(一言の謝罪のことばもない)

 しかし、一応理由は聞くつもりだったので、やむなく、辻谷一人で説明を聞くことに。
・N参事「記録者として、もう一人主事の同席を了承してほしい」
・辻谷「それなら、記録のコピーをいただきたい」
・N参事「いや、記録者ではなく、立ち合いということで」(もう、なんなん。それやったらこっちも認めてよ、やむなく1対2で)
・辻谷「理由について説明いただく前に、先ほどの対応について、出入口のところで説明するといいながら、それは間違いだったではすまない。公的機関が対応について間違いを犯したからには、文書で謝罪をいただきたい」(若干の問答の末)
・N参事「検討はする」

★さて本題
・辻谷「私は昨春の入学式君が代不起立で処分を受け、人事委員会に不服申立を行っている。今回の再任拒否について、多くの府民やまた教員は、それが理由だと思っている。府教委は、それが理由なのか、またそれが理由でないなら、納得できる説明をする責任が ある。拒否の理由は何か聞かせていただきたい。」
・N参事「勤務実績、勤務意欲、心身の状況等から総合的に判断した」
・辻谷「ちょっと待ってくれ。昨日、校長を介して聞いた理由と異なる。昨日校長を介して聞いた理由は、勤務実績、勤務意欲、専門的知識等、心身の状況から総合的に判断した、だ。なぜ、異なるのか、どちらが正しいのか?」
(N参事、怪訝な顔。まるでどっちでもいいやんっていう表情)
・辻谷「再任拒否の理由は正確を期したい。まずは正確かつ明確な理由を確認した上でなければ質問はできない。」
 二点要望する。
 再任拒否の理由は、昨日聞いた説明と本日のY参事の説明のどちらであるのか?  また、何故、このような異なる説明になったのか?説明を聞きたい」
・N参事「了解した。後日校長を通して日程調整を行い、返答する」

ということで、三点の回答待ち、「交渉」は継続です。

◆支援者からの説明・報告
★5:30に府庁別館1階ロビーに集合し、入試業務で遅れた辻谷さんを待って、5:50に5階の教職員人事課へ。駆けつけた人、ざっと50~60人。
 その人事課の入り口で、出てきたN管理指導主事に、「なぜ、再任用を不合格にしたのか?説明してほしい。部屋を用意して説明して下さい。」と言うと、そのN管理指導主事は、「中は、執務中なので、ここで話を聞きたい。」と言う。「じゃあ、ここで。ここの方が、みんなに聞いてもらえるので、それでいい。」と辻谷さんが言ったので、
教職員人事課の入り口で話を聞くことになった。

★私たち50~60人は、狭い廊下を立錐の余地なく、いや、ちゃんと廊下の中央は空けておりましたが、廊下で、いっしょに話をきくことになりました。
 辻谷さんは、「『君が代』不起立で戒告処分を受けたために、再任用を不合格にされたのか、どうか?」と聞きました。
 何も答えない。「判断したのは、校長があげた『内申書』によってか?」と聞くと、
「基本的には、校長の『内申書』でで判断している。」「その詳細については、答えられない。」と言う。

★でも、この人事課の入り口でのやりとりは、いいものです。
 廊下にいる私たちが、すぐに「おかしいやないか」等、すぐ、口々に、穏やかにではありますが、質問と意見を言うことができるからです。なかなか、こういう意見を府教委に対して言える場がない、言いたいことを口々に、だが、穏やかに言える、またとない機会を提供してくれました。

★それに気づいたのか、話の途中で、人事課の中から、別の人物、K管理指導主事が現れ、「部屋を用意したので、そこで本人のみに説明したい。」と言ってきました。ここで話をすると言ったのは、府教委でした。当然、わきあがる疑問の声。
 そして、「立ち合いは全く認めない。」というのです。「2年前、3年前には、立ち会い人も入れて話したはずだ。」の声。
だが、「今年は、ダメだ。」と言う。「何で、変わったんや。」「いつから、変わったんや。」の声。
そして、なんと、入り口の扉には、「立ち会いは3人までにして下さい。」の張り紙まで、厳としてあるのに、です。

★そして、ここで、なんと、また、別の人物、Y参事が現れました。おもしろくなってきました。府教委のドタバタぶり、右往左往ぶりが、よく分かりました。
そして、なんと、そのY参事は、顔を鉄面皮にして、
「今日は、時間が遅いから、お引き取り下さい。ご本人には、後日、校長を通じて連絡し、きちんと説明しますから。」
と言うのです。「ええっ、なんでや?」「時間が遅くなったのは、誰のせいや。」の声。
そして、辻谷さんが、「そちらが、今日、説明すると言ったのだから、今日、聞きたい。」と言うと、
「8階の部屋で説明する。」と言うが、「本人以外は一切立ち合いを認めない。」と言う。
「それなら、そもそも、N主事が、出入口で多数が立ち合うなかで、説明を始めたのはどうしてか?」の声。
Y参事は、説明できず。ついには、N主事の対応が間違っていたのだと。だが、廊下の私たちの質問と意見はつきない。

★ここで、辻谷さんが、「理由は聞くつもりだったので、やむなく、辻谷一人で説明を聞くことにする。」と言う。そして、辻谷さん、松村さんは、8階へ。そして、8階へ向かう階段に、警備員が立つ。

★私たちが、そこで、待っていると、外に出ろと言ってくる。そして、警告1回め、2回めと数え出す。私たちは、仕方なく、外に出る。外は、冷え込んでいる。だが、そこで、私たちは、寒空をついて、「辻谷さん、がんばれ!」「松村さん、がんばれ!」
「再任用不合格を許さないぞ!」「『君が代』不起立による処分を許さないぞ!」のシュプレヒコール。
外に追い出さなかったら、シュプレヒコールなどせず、静かに廊下で待っていたものを!

★そして、しばらくして、辻谷さん、松村さんが、府庁別館から出てくる。そこで、報告を聞く。向こうの説明は、ほんの少し。後日、なぜ不合格にしたかの説明が、またあると言う。みなさん、また、府庁別館、教職員人事課に、辻谷さん、松村さん応援のために集まって下さい。

★さらに、昨年3月、卒業式の『君が代』不起立を理由として、豊中市の小学校教員Sさん(ZAZAの一人)も再任用の不合格通知を受けている。この豊中市教委への抗議行動も、近々あります。豊中市にも抗議へ!
『君が代』不起立したら、再任用はダメなのか?それほど、重い「罪」なのか?
逆だ!「不起立は、思想・良心の核心の表出」だ!(最高裁、宮川裁判官)『君が代』不起立は、「教え子を戦場に送らない」と決意した、教育労働者の良心にもとづく行動だ!
正義と不正義を逆さまにする、府教委の処分と再任用拒否に、みなさん、怒りの声と行動を!

★結局、交渉は継続、以下の三点
 1.府教委の対応の間違いに対する文書での謝罪、
 2.校長と府教委が言っている理由が違っていることについて、
 3.どうしてそうなったのかについて、の回答待ちとなったようです。

2/7 東京都人事委員会がKさんの2010年の「君が代」不伴奏に減給処分を裁定

 

■Kさんは「君が代」」不伴奏をつづけ、何回かの不当処分を受けています。東京都人事委員会へ処分取消を提訴し、今回は2010年の処分についての裁定です。
 この件について、近藤徹さんと近藤順一さんから報告が寄せられましたので、総合してアップします。

◆経過
1. Kさん(小学校教員、音楽専科)は、2010年3月退職時の卒業式での不起立で停職1月の処分を受け、都人事委に処分取消を求めていました。
2. 2011年10月に都人事委審理が終結して、1年4ヶ月たなざらしになっていましたが、去る2月7日、都人事委員会が突然「裁決」を出しました。
3. 2012年1・16最高裁判決後初の都人事委の「君が代」処分に関する裁決として注目されていましたが、結論は、「停職1月」を「減給10分の1・1月」に修正する、というものでした。
4. 岸田さん処分歴
 2004年 5月 入学式でピアノ不伴奏により戒告→2012年10月高裁で処分容認
 2004年11月 再発防止研修未受講(職務命令違反)で減給10分の1・1月
          →2012年10月高裁で処分取消
 2005年 3月 卒業式でピアノ不伴奏により減給10分の1・6月
          →2012年10月高裁で処分取消
 2005年12月 再発防止研修でのゼッケン着用による職務専念義務違反で戒告
          →2009年6月、都人事委の審査請求を取り下げ。
 2010年 3月 卒業式でピアノ不伴奏により停職1月。同年3月31日定年退職
          →2013年2月人事委裁決で減給10分の1・1月に修正
5. 人事委の裁定
<主文> 処分者が請求人に対して平成22年3月30日付で行った停職1月間の処分を1月間給料の10分の1を減ずる処分に修正する。

<争点に対する判断>
1.憲法判断は最高裁判決を踏襲。職務命令は憲法19条、20条、21条に違反しない。23条、26条、国際条約に違反しない。
2.憲法31条の適正手続き違反はない。信用失墜行為に該当する。
3.裁量権・逸脱濫用について(処分量定について) 
  「停職処分とすることは社会観念上重きに失する」
  「懲戒処分を取り消す旨の判決がされているとはいえ、これらが懲戒処分に相当
する非違行為であることは是認することができるのであり、これらの処分歴および行
為歴を併せ考慮すると、公務の秩序の維持という懲戒処分制度の目的にかんがみ、本
件非違行為に対しては、戒告より重い1月間給料の10分の1を減ずる処分とするこ
とが相当である。」

 1・16最高裁判決(2012年)や高裁判決(2013年10月)を否定し踏み込んだ都教委擁護の裁決になっています。

★近藤徹さんのコメント
 1・16最高裁判決で河原井さんの停職1月、渡辺厚子さんの減給1月が取り消され、最高裁は一律・機械的な累積加重処分は否定しました。その後、後続訴訟では、地裁・高裁で減給・停職の取り消しが相次いでいます。Kさんも東京高裁判決で減給10分の1・1月および減給10分の1・6月が取り消されているので、人事委員会も最高裁判決・高裁判決を踏襲すると予想されていたので、この人事委員会裁決には、驚きとともに、強い怒りを禁じえません。
 なお、3人の東京都人事委員のメンバーは、関谷保夫(元副知事)、青木利晴(元NTTデータ社長)、濱崎泰生(元名古屋高裁長官)です。これで「公平審査」など期待できるでしょうか。

★近藤順一さんのコメント
 Kさん側は、職務命令の違憲性・違法性と処分の裁量権逸脱・濫用について全面展開しましたが、憲法判断は予想通り最高裁判決の引き写しでした。処分量定については最高裁の判決に基づき高裁ですでにKさんの減給6月と減給1月が取り消されているので、人事委員会も従わざるを得ないのではと思っていたので、驚きと強い怒りで一杯です。

 処分理由で、「……これらが懲戒処分に相当する非違行為であること……、これらの処分歴および行為歴を併せ考慮すると、公務の秩序の維持という懲戒処分制度の目的にかんがみ、本件非違行為に対しては、戒告より重い1月間給料の10分の1を減ずる処分とすることが相当である。」と高裁判決を否定し踏み込んだ都教委擁護の裁決になっています。これは到底認めるわけにはいきません。
 減給を是認するというウルトラ不当採決。また、根津さんに続き二人目の「過去の処分歴等」の適用ということでしょうか。

2013年2月20日水曜日

2/19 処分撤回についての申し入れに対する都教委の回答

■去る2月5日、被処分者の会などが処分撤回の申し入れを都教委に対して行いました。それに対する都教委の回答が来ました。近藤徹さんからの報告です。

◆都教委から回答について

★「回答」の特徴は、①1・16最高裁判決の都教委に都合がよい部分だけをつまみ食い、②真摯な検討をせずに従来の回答を繰り返す、③申し入れ項目に正対せず、誠意が見られない等、問題解決の努力を放棄して、高圧的な姿勢が明らかです。改めて怒りを禁じ得ません。

▼2・5都教委申し入れと2・19都教委回答について
2013年2月20日 被処分者の会 近藤 徹

◆2013年2月5日の都教委申し入れ
<申入書宛先>
東京都知事 猪瀬 直樹 殿
東京都教育委員会委員長 木村 孟 殿
東京都教育長 比留間 英人 殿
<申し入れの趣旨> 略
<申し入れ項目> 下記都教委回答を参照
<申し入れ団体名>
「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会・東京「君が代」裁判原告団  同 弁護団
<回答期限> 2月19日

◆2013年2月19日の都教委回答
平成25年2月19日
「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会・東京「君が代」裁判原告団殿
「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会・東京「君が代」裁判弁護団殿

東京都教育庁総務部教育情報課長 波田 健二

要請書に対する回答について
平成25年2月5日に提出された要請書につきまして、別紙のとおり回答いたします。

<要請書に対する回答について>

1 東京都教育委員会が2003年10月23日に発出したいわゆる「10.23通達」を撤回すること。
(回答)これまでに出された裁判所の判断において、東京都教育委員会が平成15年10月23日付けで発出した、「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について(通達)」は、旧教育基本法第10粂第1項にいう「不当な支配」には該当しないとされています。本通達を撤回する考えはありません。(指導部指導企画課)

2 同通達に基づく一切の懲戒処分・厳重注意等を取り消すこと。
(回答)平成24年1月16日の最高裁判決で取り消された懲戒処分については、判決に基づく必要な手続を行いますが、現在、裁判等において係争中の事案については、当該事案に係る判決等の内容に応じて対応していきます。(所管課:人事部職員課)

3 最高裁判決(2012年1月16日付)に従い、10.23通達に基づけ減給・停職処分を即時取り消すこと。
(回答)平成24年1月16日の最高裁判決で取り消された懲戒処分については、判決に基づく必要な手続を行いますが、現在、裁判等において係争中の事案については、当誠事業に係る判決等の内容に応じて対応していきます。(所管課:人事部職員課)

4 同通達に基づく校長の職務命令を発出しないこと。
 (回答)これまで出された裁判所の判断において、東京都教育委員会が平成15年10
月23日付けで発出した、「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について(通達)」は、旧教育基本法第10粂第1項にいう「不当な支配」には該当しないとされおり、学習指導要領に基づき、自校の入学式、卒業式等を適正に実施するため、校長が職務命令を発出することは何ら問題がないといわれています。(所管課:指導部指導企画課)

5 卒業式、入学式で10.23通達に基づく新たな懲戒処分を行わないこと。
 (回答)卒業式等の式典において国歌斉鳴時の起立斉唱を教員に求めた校長の職務命令が合憲であることは、平成24年1月16日の最高裁判決でも改めて認められたところであり、職務命令達反があった場合には厳正に対処します。(所管課:人事部職員課)

6 同通達に係わり懲戒処分を受けた教職員に対する「服務事故再発防止研修」を行わないこと。
 (回答)懲戒処分の原因となった服務事故の再発を防止するため、関係規定に基づき、懲戒処分を受けた者に対し、服務事故再発防止研修を実施します。(所管課:人事部職員課)

7 卒・入学式等での「君が代」斉唱時に生徒の起立を強制し、内心の自由を侵害する「3.13通達」(2006年)を撤回すること
 (回答)平成18年3月13日付「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の指導について(通達)」は、平成15年10月23日付「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について(通達)」及び平成16年3月11日付「入学式・卒業式の適正な実施について(通知)」の趣旨を、なお一層徹底するとともに、校長が自らの権限と責任において。学習指導要領に基づき適正に児童・生徒を指導することを、教職員に徹底するよう通達したものです。本通達を撤回する考えはありません。(所管課:指導部指導企画課)

8 最高裁判決に従い、「紛争を解決する」ための具体的改善策を策定すること。
 (回答)補足意見があったことは承知していますが、平成24年1月24日の臨時教育
委員会で、委員総意の下、「人学式及び卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱について」が議決されたことを踏まえ、今後も、学習指導要領に基づき、人学式・卒業式の適正な実施を目指して、学校を指導していきます。(指導部指導企画課)
  補足意見があったことは承知していますが、卒業式等の式典において国歌斉唱時の起立斉唱を教員に求めた校長の職務命令が合憲であることは、平成24年1月16日の最高裁判決でも改めて認められたところであり、職務命令達反があった場合には厳正に対処します。(所管課:人事部職員課)

9 都教委の責任ある担当者と原告団との話し合いの場を設定すること。
(回党)そのような考えはありません。(所管課:指導部指導企画課、人事部職員課)

2/16 東京新聞報道 第2回「教育再生実行会議」開催

■2月15日(金)、「教育再生実行会議」第二回会合が開かれ、いじめ対策として、規範意識を醸成するため、小中学校で「道徳」を<教科>にするということで一致したという。(渡部コメント)

◆「いじめ対策 道徳の教科化提言へ」 東京新聞2/16
Image2東京

★一方で、統廃合などで教育条件を悪化させておきながら、他方では、上から目線で子どもたちの「規範意識」を強めようとしている。これは戦前の「修身科」の復活に他ならない。

★行き詰った日本社会を打開するには、現在、「科学的批判的な思考」と「明朗快活な精神」こそが求められている。しかし、「道徳」の教科化では、行き詰った社会で、枠にはまった「規範意識」を持った従順な人間になれ、と言っているようなものである。

★戦前を見てもわかるように「道徳」を強調した教員ほど、天皇(「日の丸・君が代」)に対しては忠実だったが、生徒に対しては「体罰」を振るい「非道徳的」な人間だった。
(今も?)
 また、あれだけ「修身科」をやらされた日本兵が、戦争中他国民にどれほどひどい「非道徳的」なことをしたことか。
(さらに日本軍の中でもいかに酷いことが行われていたかは、野間宏の『真空地帯』などに描かれている。)

★現在でも、「道徳」を重視している千葉県の森田知事は、自民党でありながら「完全無所属」とウソをついて知事になった。また、「道徳」を強調する石原前都知事や橋下大阪市長らの、見聞きに耐えない言動を見ても、彼らの「非道徳さ」は明らかである。

★子どもたちを取り巻く物質的・精神的状況はさらに悪化(貧困化)していると言わざるを得ない。
 私たちは、こんなつまらない「道徳科」に対しては、子どもたちと一緒になって、「キレイごと!バカバカしい!」と笑い飛ばし、子どもたち(大きな視点から見れば<学友>である)と共に、「科学的批判的な思考」を強めなければならないだろう。

2/16 朝日新聞報道 小5 遺書残し自殺

■2月14日、大阪府大東市で小学5年男児の飛び込み自殺が起きた。現場に残されたメモには学校の統廃合中止を求めることが書かれていた。
メモには 「どうか一つのちいさな命とひきかえに、とうはいごうを中止してください。」と記されていた。 (渡部)

◆「学校の統廃合 中止してくだい」 小5、遺書残し自殺(見出し) 朝日新聞 Image大阪

「僕たちの気持ちを誰も聞いてくれない」という言葉は、桜宮高校の生徒たちが記者会見した時にも同じような気持ちを抱いたのではないだろうか。                                         桜宮高校は、橋下大阪市長の強い要請で結局生徒(保護者も)たちの声を聞かず、体育科の入試を中止した。                                                               同じく、自殺によりクラスメートを代表する形で問題提起をせざるを得なかった児童の声に対しても、大東市教委は既定どうり統廃合を進めるという。

いれも子どもたちの声は全く無視され、踏みにじられている。要するに子どもたちは今、大切に扱われていないのである。

2013年2月18日月曜日

《寄稿》 大阪で全国集会が開催される! 「『日の丸・君が代』強制ええんかい!『競争』『強制』の教育でえいかい!私たちは黙らない!2・11全国集会」

  ■2013年2月11日の午後、大阪市天王寺区民センターで、「私たちは黙らない!2・11全国集会」が開催され、大阪の状況の危機感を持った教職員・市民らが全国から約700名が集まった。集会後、約1時間市内をデモ行進し、難波駅付近 で解散した。 

Image1デモ先頭

《前日の交流集会》

交流会

  集会の前日、10日の午後、中区のエル大阪(大阪労働会館)で交流集会が開かれ、約50人が集まって熱心に討論した。東京など首都圏からも10人余りが参加した。
 最初に、全国集会実行委員会の黒田伊彦代表から、「7月には参議院選挙がある。厳しい情勢だが、大阪での反橋下の運動を広げる中で、希望を語れる社会にしていこう」との挨拶があった。
 続いて「『日の丸・君が代』強制反対・ホットライン大阪」の寺本さんから、大阪の全体状況の報告があった。橋下府政・市政のもとで進められてきた教育「改革」は、安倍政権がこれから進めようとしている教育「改革」を先取りするものであり、現在問題となっているのは、①義務教育における学校選択制、②学校の民営化、③市立高校の府立移管、④桜宮高校事件を口実とする教育委員会制度の空洞化攻撃、などである。2011年6月の“「君が代」起立斉唱条例”以来、2年半以上にわたって続けられている大阪での闘いは、安倍教育「改革」に反対する全国の闘いと連帯していかなければならない、と結んだ。 次に、人事委員会に提訴した大阪の不起立者7名からなるZAZAグループの自己紹介に続いて、全国からの現状と闘いの報告があった。東京・千葉・神奈川に続いて、宮城からの報告は、震災と原発事故後の東北の状況をスライド上映付きのものであった。
 愛知の後は、大阪府の豊中市・門真市の闘いなど関西地区の闘いの報告で締めくくった。
 短い休憩の後、報告に対する質疑・討論と今後の運動の進め方についての議論に入った。実行委員会から「新たな全国ネットワーク」の構築へ向けての提案があった。
 熱心な討論は午後5時まで続けられ、その後の懇親会へと流れていった。
 密度の濃い1日であった。

《私たちは黙らない!2・11全国集会》
 翌11日には場所を替えて、大阪天王寺区民センターで午後1時から「私たちは黙らない!2・11全国集会」が開催された。
  午後1時の開会の時刻には開場はほぼ満席。
  開会後、会の主催者を代表して黒田さんが「建国記念の日」反対の主張を述べた。旧「紀元節」を「建国記念の日」とした思想は、自民党の改憲草案や安倍教育「改革」に流れているものと同一なものであり反対である、“サミエル・ジョンソンは「愛国主義は無頼漢の避難場所だ」と言ったが、「愛国」をふりかざすことであらゆる悪が許され、民衆に受け入れさせていくというような呪文にしてはならない”と結んだ。
 続いて基調報告を行った寺本さんは、維新の会が行ってきたことと同様なことを安倍政権が行おうとしており、尖閣諸島問題や憲法改悪問題では自民党と維新の会は軌を一にしていると述べ、全国的な取り組みが必須である、と結んだ。
 田中伸尚さんの基調講演「絶望するには素敵な人が多すぎる─戦後史最大の曲がり角に立って─」は、1月27日の沖縄総行動の銀座デモに対しての、街頭の“「日の丸」部隊”の行動について触れ、このような事態が生じたのは、日本が過去の責任を不問にしてきたことのつけが現在回ってきたからなのだ、現在の事態は1930年代と酷似してきた。しかし、戦時下でも個人としての抵抗はあった。いま「日の丸・君が代」を闘っている人達は、現在の情勢では圧倒的に少数派になりつつある。しかし、“冬の時代”に入りつつある大阪で36名もの不起立者が出たのはすごいことである。抵抗者が一人でもいる限り、問題がどこにあるのかが見える。ゼロか1かには大きな違いがある。田中さんはこのように“抗う”ことの意味を力強く述べた。

 大阪の被処分者たち

  Image1東京

休憩ののち、全国各地、北は北海道から、東京、宮城、名古屋等からの闘いの取り組みの報告があり、大阪から9つの団体からの反橋下の闘いの力強いアピールが続いた。大阪の団体名を紹介する。
「こどもに寄りそう教育を求める ─ 発言する保護者ネットワークfrom大阪」
「朝鮮高級学校無償化を求める連絡会」
「『共に学び、共に生きる教育』日本一の大阪に!ネットワーク」
「日本軍『慰安婦』問題・関西ネットワーク」
「人権と平和の博物館の灯を消すな ─ 近現代史研究者」
「『子どもの家』廃止問題─『野宿者ネットワーク』」
「大阪市『入れ墨』調査拒否処分提訴 ─ 被処分者」
「橋下さん、96億円返して!─ WTC住民訴訟の会」
「汚染がれきの焼却やめて!─ 放射能から豊中の市民・子どもを守る会」
大阪から多くの市民が意義申立ての行動に取り組み始めたのがわかる。
 最後に、行動提起と新たなネットワークづくりの提案が行われ、集会決議が採択された。 午後4時半から1時間、参加者一同で元気にデモ行進した。懸念された右翼からの妨害もほとんどなかった。                                 (青木)

2013年2月16日土曜日

1/21 「授業していたのに処分」裁判の報告

■1月21日(月)、「授業していたのに処分」の第4回口頭弁論がありました。その報告が原告の福嶋さんか届きましたのでアップします。

◆裁判について
 2011年8月に東京都人事委員会の請求棄却、2012年2月に裁判に提訴、5/7 7/9 10/18の口頭弁を経て、1/21に第4回の口頭弁論がありました。寒い日が続く午前中にもかかわらず、今回も傍聴席に入れない方が数名いました。有難いことです。しかし裁判官にこの裁判の重大性を真面目に考えていただくためにはさらに多くの方においで戴きたいと思っています。

▼この日の裁判   ★今回はこちらの主張に対する都教委の反論に対して、こちらからの再反論の準備書面(3)を提出しました。法廷では金井弁護士よりその要旨および補足説明がありました。                       授業を大切にした真面目な教員が、生徒の学習権について何の配慮もしなかった教育行政によって処分を受けた、という特異な事件であること。                                         日程変更は2ヶ月前に求めていたこと。日程変更ができない理由は何の説明もされてないこと。       都教委独自の累積加重処分により減給6月という重い処分になったこと。重い処分について、累積という以外は何ら理由説明はされてないこと。                                         これらの事柄を聞き取り易い明快な語り口で述べてくださいました。


★都教委から書証として当時の時間割が提出されました。「当日は休暇をとった方もいて、私が研修に行っていたなら自習監督者が足りなくなっていた」とのこちらの主張に対する反論のようです。教員の目から見れば、当日の時間割が過酷なものであるのは一目瞭然と思うのですが、「クラスの数だけ教員がいれば足りている」との感覚だと間に合うことになります。裁判官に学校のことがわかってもらえるのかどうか、難しいかもしれません。

★裁判のあとの報告集会では、この裁判の弁護費用の一部に当てるカンパの呼びかけがありました。よろしくお願いします。
  しかしあらためて「教育とは何か、教師とは何か」を考えます。生徒の前に立ち、語るものが責任を負う、という直接責任の気概を持ちにくい時代になってきています。教師が誇りと責任を持てるようになるためにもこの裁判は勝たなくてはいけません。単に研修の原因となった処分が取り消された(10/31高裁判決)からというだけでなく、教育について、教師の職務について、踏み込んだ判断を裁判所に求めたいのですが、まだ難しいかもしれません。 
 次回口頭弁論 4月15日(月)10:30開廷  527号法廷

 蛇足ながら
 私の職務命令違反と服務事故・処分の関係を並べてみると

 1. 校長からの職務命令に従わず処分された場合。
  ・2004年3月の卒業式における起立斉唱命令 戒告                                                                    ・2005年3月の卒業式における起立斉唱命令 減給1月
  ・2006年3月の卒業式における起立斉唱命令 停職1月

 2. 校長からの職務命令に従わなくても処分されてない場合。
  ・2004年3月23日の事情聴取への出張命令
  ・2005年3月31日の処分発令書受取の出張命令
    31日午前の校長との会話
     「行かないと処分されますか」 「・・わかりません」
     「・・校長は事故報告書を書きますか」 「それも・・わかりません」
  ・2006年3月23日の事情聴取への出張命令
    なお、この3件について、校長は事故報告書を書いていない。
    校長は出張命令違反を服務事故とはとらえていない。
    校長の職務命令に従わなくても非違行為ではない。

 3. 2005年9月13日の減給6月(授業してたのに処分)
    都教委からの研修命令と校長からの出張命令が出されている。②で示されているとおり校長からの出張命令違反は服務事故ではない。都教委からの命令に違反したことが服務事故→処分の理由と考えられる。

  結論:卒業式での起立斉唱命令は都教委からの命令である。  だから一連の累積加重処分になった。

2013年2月13日水曜日

2/4 河原井さんと根津さんの07、08、09年事件の裁判

■2月4日(月)、河原井さんと根津さんの停職処分撤回の裁判がありました。06年の停職処分については不当な最高裁判決が出ています。今回は07年~09年の停職処分撤回裁判です。
 傍聴者は法廷に入りきれず、また、初めての人も何人かいました。

★説明
 06年の「君が代」不起立処分(河原井:停職1月 根津:停職3月)の最高裁判決(2012,1・16)では、河原井さんについては「処分は取り消す」。河原井さんの「損害賠償請求部分は東京高裁に差し戻す」。しかし、根津公子さんについては「上告を棄却する」という分断判決でした。

★07年の分については、この日は裁判の進行についてのやりとりでした。
 根津さんは07年から停職6ヶ月に、河原井さんは07年は停職3ヶ月に処せられました。
 この裁判の大きな目的は根津さんの処分を取り消すことです。06年の場合、根津さんは過去の行為を取り上げられて処分は取り消されず分断判決でした。07、08、09年裁判闘争では、その点を打破して累積加重処分の不当性と闘うことです。 裁判終了後の弁護士の話で、そのことが明確に言われました。

★この日の裁判は書証と証人調べの確認でした。次回は江藤職員課長(当時)と原告2人の尋問になりました。原告側は世取山新潟大学教授を証人採用するように申請していて、その点についての裁判長に糾したところ、尋問をみて、世取山さんの証言が必要だったらするとなりました。

★次回法廷:5月9日(木)10:30~16:30 527号法廷 
    10:30~12:00都教委人事部職員課長・江藤氏(当時)
    13:30~16:30原告2人

2013年2月9日土曜日

2/3 都教委包囲ネット「総決起集会」で採択された二つの決議

■2月3日の総決起集会で採択された「集会決議」を掲載します。

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■分限免職を許さない「特別決議」

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2013年2月8日金曜日

2/3 都教委包囲・首都圏ネット {総決起集会}開催

 ■10・23通達から今年で10年。卒業式シーズンを迎え、毎年恒例の2月の都教委包囲ネット「総決起集会」が、2月3日(日)午後、杉並区阿佐ケ谷の杉並産業商工会館で開催され、首都圏から約120が結集した。

◆集会の内容

★開会宣言の後、主催者を代表して首都圏ネットの見城さんが基調報告をかねた主催者挨拶をした。見城さんは昨年12月の総選挙によって成立した安倍内閣は、自民党内閣への復帰ではなく、改憲を目的とした“右翼”内閣であること、2006年の改悪教基法路線をさらに発展させ純化させること、そういう中で今年の教育をめぐる闘いは、都教委の場合も「君が代」不起立者への再発防止研修も強化され、分限免職処分がもくろまれ、まさに正念場を迎えるであろうということを話した。

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▼第一部は、「今までの闘いを振り返って」をテーマとして、東京における「日の丸・君が代」闘争の先頭に立って闘ってきた、河原井純子さんと根津公子さんの報告。
★河原井さんは「七生養護学校での性教育」への弾圧を出発点とした10年を越えるこれまでのさまざまな闘いの経験を、停職1ケ月の時は出勤し続けたこと、その後の停職のときは「雑木林・全国行脚」をつづけて、青年たちと結びついて憲法を学んできたことをなどを話した。次なる世代とどう結んでいくかだと言った。
 また、10年を振り返って「なぜ、どうして」とこみあがってくるものが3点あること。一点目は2003年10.23通達をなぜ、あのとき白紙撤回できなかったのか。二点目は2006年、9.24予防訴訟の画期的難波判決をなぜ現場で具現化出来なかったのか。三点目は2011年1.16最高裁判決は確かに分断を持ち込む不当判決だつたが、戒告でおししとどめた。しかしなぜ盛り上がらないのか。そういうことを一人一人問い続けていかなければならないと思うと提起した。

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★根津さんは、「君が代」不起立を闘って、いま考えていることを話した。「教師は個人としての思想・良心と切り離して、学校では特定の価値が排除されたり強制されたりしないように、多様な価値が併存可能な環境をつくる職責がある」という西原博さんの言葉を引用して、個人としてやむにやまれぬ行為としての不起立も大事だが、なぜ、わたしは不起立なのか。この事態に人はどうすべきなのかを子どもたちの前で示したいと思ったと述べた。2004年頃、子どもたちも「君が代」強制に反対してがいまはない。教員がそうさせたと思う。「君が代」強制に向き合うことを避けてきたと私は思う。学校、子どもたちのことを考えたら、強制に加担することをやめることが職責なのだということを考えほしいと言った。

▼第二部は、大阪からかけつけた井前さんが、橋下維新の会によって制圧されている大阪府市のすさまじい最新の教育状況をレジュメをもとに報告した。
 安倍内閣による教育「改革」路線の先取りである、地方首長による教育支配は大阪においてさらに進行しているが、同時に破綻も見せ始めている。厳しい状況の中でも抵抗は続けられており、今年の卒入学式でもs-井前

教職員によ る抵抗は続けられる。2月11日の全国集会がその出発だ、全国集会に集まってと結んだ。

▼短い休憩の後、第三部は、本集会のもうひとつの柱である“分限免職を許さない”がテーマ。
★不当に分限免職され、裁判で闘った疋田さん。疋田さんの弁護士の津田玄児さんが『教育』(2013年1月号)に書かれた「教育への不当な支配をひろげる最近の分限処分」を資料に、不当に分限免職された内容を怒りをもって報告した。                                                   
★さらに、2012年3月、条件付採用期間において“分限免職”された2人の教員について、現在組合として裁判で闘っている都障労組から、及び都立高校で当該者の裁判支援活動を行っている市民から、それぞれ報告があった。

★「10.23通達強化の陳情」が東京都の市議会、区議会、都議会に出されていることが判明して、採択反対の取り組みが被処分者の会を中心になされたが、あろうことか都議会・文教委員会でこの陳情が採択され、本会議でも採択されるという結果になってしまったことが報告された。こういう事態を許さないためにしっかり闘って行かなければならないことが提起された。

★包囲ネットの伏見さんが、「分限事由に該当する可能性のある教職員に関する対応指針」の項目を示して分限処分、分限免職について説明した。例えば、田中さんへの再発防止研修の強化されても、田中さんが「君が代」不起立を貫くと研修の効果なく、「起立せよ」という職務命令違反を繰り返しているとして分限免職される可能性が高いことを指摘した。そして、こうした都教委のやり方に対して「分限処分」をさせない闘いをやっていかなければならないことを訴えた。

★発言の最後に、田中さんが自らの「君が代」不起立の闘い、「起立」から「不起立」にいたる経過を話した。2007年から不起立を行い、2009年に根津さんと同僚になり同じように不起立をしても根津さんだけを処分される状態だったこと。10年たち、現場は10.23通達以後に教員になった人が多くなっている状況の中で、だからこそなぜ、自分は「君が代」不起立をしてるのかを教員にも生徒にも話して闘っていくことを表明した。

▼司会から、今年も卒義勇式の当日にチラシ撒きをすることが提起され、多くの人がこの闘いに参加してく れ よう、呼びかけられた。(参加者希望者は包囲ネットに連絡を)

前川バナー

▼最後に、特別決議「『君が代』不起立分限免職を許さない」及び集会決議「『日の丸・君が代』強制反対!安倍内閣・猪瀬都政の反動教育『改革』と対決する」が採択され、「10・23通達を撤回しろ!」「分限免職を許さないぞ!」等の力強いシュプレヒコールの後、「団結頑張ろう」で散会した。  

2013年2月4日月曜日

2・11 私たちは黙らない! 2・11全国集会に集まれ

■2月11日13:00~、大阪市立天王寺区民センターホールで、維新の会・橋下市政、松井府政と闘う集会が開かれます。「まだ、まにあう」 集会に集まって下さい。

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Image1大阪裏

2013年2月2日土曜日

包囲ネットは12月から、「君が代」不起立処分するな!分限免職処分するな!のチラシ撒きをはじめました。

■都庁第二庁舎の柱に貼られた禁止事項/ 柱の前の歩道でハンドマイクを使いチラシを撒く

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1/31退勤時 都庁第二庁舎前で撒いたチラシ

■12月から第一、第三木曜日の退勤時に都教委包囲ネットは都庁職員の退勤時に10・23通達撤回、処分するな、田中さんへの処分は許さないということで、チラシ撒きをはじめました。解雇させない会はずーと、一貫して第二、第四木曜日の朝(この日は定例の教育委員会が開かれる)、第二庁舎前で行っています。  

◆1月31日に撒いたチラシ(裏面は2/3集会チラシ)

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根津公子さんからのアピール

■「君が代」不起立を続ける教員に対し、「重い処分」や分限免職をさせない取り組みについてのアピールが根津さんより寄せられましたのでアップします。

また、関連して、板橋の会の2・2集会、都教委包囲ネットの2・3集会にご参加ください。 

◆再発防止研修の例をみない強化の狙いは分限免職 田中さんを分限免職させるな!

★東京の「君が代」不起立・被処分教員に対する再発防止研修が、昨春からそれまでとは性格を異にし、回数は20回を超えるなど、格段と強化されたこと。昨春からの再発防止研修は、ゆくゆくは「これだけ研修の機会を与えたのに反省がなかった」として、2011年の1・16判決が原則禁止した「戒告を超える重い処分」や分限免職を狙っていることについて、これまで何度か、皆さんに訴えてまいりました。

★不起立を続ける教員(田中聡史さんほか)を「重い処分」や都教委が最も狙っているであろう分限免職にさせないために、都教委への要請等の他に、河原井・根津らの「君が代」解雇をさせない会では第2、第4の木曜日の朝、そして、都教委包囲・首都圏ネットでは第1、第3の木曜日の夕刻、都庁前でチラシをまき、情宣を続けています。

 チラシの受け取りはいいとは言えませんが、私たちの存在を知っていて、ご自分から手を出してくれる方が多いです。激励やお礼のことばがけをしてくださる方もいらっしゃいます。
 一昨日(1/31)のチラシまきでは、私が手渡した人の中に、20代と思われる人が何人もいました。ご自分から手を出されて、「ありがとうございます」と言われたり、会釈をされたりという方たちでした。「非正規雇用」で都庁で働く方かな、と頭をよぎりました。

★こうした私たちの行動に、都教委は警備員を使って報告をあげさせています。第2、第4の木曜はチラシまきの後、教育委員会定例会を傍聴しているのですが、チラシまきの参加者が多い時には、定例会が行われる30階は、びっくりするほど大勢の都教委の職員が廊下に並んでいます。チラシまきの人数が多くない時でも6~7人の職員が、多い時には20人もの職員が20メートルほどの長さの廊下に立っています。私たちが何をするわけでもないので、立つことが仕事なのですね。
 都教委のピリピリ感がわかると思います。
 権力を持つ者は、市民が黙っていないことに一番恐れるのですから、声を出し続けていくこと、その声を大きくすることをしていきたいと思います。
 2004年当時、「3回不起立で免職」と言っていた都教委ですが(=私も河原井さんも、当時、校長から聞かされました)、私たちをクビにできなかったのは、全国の大勢の人たちが動いてくださったからでした。その体験から私は、都教委に見える行動を、と思うのです。

★都教委に、「君が代不起立処分を止めろ」「再発防止研修を使って、重い懲戒処分や分限免職をするな」と、声を届けてください。

▼集会へのお誘い
○ 「日の丸・君が代」強制に反対!板橋のつどい2013 
 2月2日(土)14時~16時半
 板橋区立グリーンホール2階 男女平等推進センター内会議室
  (東武東上線大山駅下車4分/地下鉄三田線板橋区役所前駅下車5分)
  ・講演「学校を取り戻すために」 高嶋伸欣さん(琉球大名誉教授)
  ・現場からの報告
 主催は、学校と地域をむすぶ板橋の会   板橋は田中聡史さんの勤務校の地です。

○2月3日は、都教委包囲・首都圏ネットの10・23通達から10年!総決起集会です。
  13時半から杉並区阿佐ヶ谷産業商工会館(阿佐ヶ谷駅南口下車5分)